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健康的な肥満でも心疾患リスクは高い?独・栄養研究

見た目や体重が「肥満」の部類に入っていても、肌や髪がキレイで、健康的に過ごしている方は多いですよね。
中にはアスリートのように、筋肉質で引き締まっている方もいます。
肌や髪がキレイなのは体内代謝がいいことの証でもあるので、一見「それでいいのでは?」と思えますが…。
しかし、代謝的に健康でも、やはり普通体重の方と比べると心疾患のリスクが高いことがドイツの栄養研究でわかってきました。

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肥満の分類はBMI値で確認!

ややポッチャリぎみの方や筋肉質の方は、ご自分が普通体重の範囲内なのか、実は肥満に分類されるのか、悩むこともあるでしょう。

日本での肥満はBMI値に基づいて計算されています。
人によって、身長の高さが違うので、以下の計算式で、確認しておきましょう。

体重(kg) ÷ 身長 (m) ÷ 身長 (m)

BMIの標準値は、18.5~24.9となります。
すなわち、BMI値25以上から肥満ということです。

具体的に、上記の式に数字を入れてみると、
(例)体重44kg 身長154cm(1.54m)なら、
44kg ÷ 1.54m ÷ 1.54m ≒ 18.6
となります。

もし、この身長で肥満に分類されるとしたら、59.3kgから危ないということになります。
(例)体重59.3 身長154cm(1.54m)
59.3kg ÷ 1.54m ÷ 1.54m ≒ 25

肥満に分類される人は心疾患リスクが高い?

さて、肥満の定義がわかったところで、ドイツの人間栄養学研究所の女性を対象とした研究報告を見てみましょう。

肥満女性でもカラダの代謝が良ければ、一般に高血圧やⅡ型糖尿病などの代謝系疾患は起こしにくいと考えられています。
しかし、こと心疾患に関しては事情が違ってくるようです。
中でも肥満女性は、例え代謝系が強くても、「心血管疾患」のリスクが高くなることがわかりました。

研究チームは、1976年から統計がとられているアメリカの30歳~55歳の女性看護師、約9万人の健康情報データを解析し、肥満と心血管疾患の関連を調べました。

BMI、Ⅱ型糖尿病、高血圧、高コレステロールなどの数値をもとに1980年~2010年まで追跡調査も行いました。

その間、2年毎に、生活習慣、健康行動、医療記録などのアンケート調査も行っています。

アンケート項目は、年齢、食事、飲酒、喫煙、民族、人種、学歴、身体活動、閉経、頭痛薬の使用頻度、心筋梗塞や糖尿病の家族歴などが入っていました。

その結果、調査終了後の2012年の時点で、新たに、約6,300件の「心血管疾患」の症例が確認されたのです。

心血管疾患になりやすい女性の特徴とは?

「心血管疾患」は総じて、BMIに関わらず、不健康な生活習慣の女性に多いことがわかりました。
さらに細かく分類すると、代謝系が不健康な普通体重の女性は、健康的な普通体重女性と比べると、この疾患のリスクが2.5倍、高いこともわかりました。
しかし、代謝系が健康な肥満女性であっても、代謝系が健康な普通体重女性と比べると、この疾患のリスクは約1.4倍、高かったのです。

そのため、肥満であっても、自分は健康な方だ? と思っている方でも、将来、心臓を患うことがあるかもしれない、ということを念頭に置いておきましょう。

20年たつと不健康、または肥満になりやすい?

この研究は、20年に及ぶ健康情報データの解析と追跡調査の結果、わかったものですが、調査開始から20年たつと、開始時に健康であった女性も肥満になったり、普通体重であっても不健康な生活に変わっているケースが多く見られたそうです。
※参考:『ランセット糖尿病と内分泌学』

さいごに

20年が経過すると、やはり若い頃のように、確実に代謝系が衰えるので、20年前と同じ食事内容でも、太りやすくなるものですよね。
特に揚げ物やパン、洋菓子、肉類などを食べすぎると、若い頃のようにすぐに元の体重に戻ることは難しくなり、そのまま太っていくケースもあります。
野菜や果物も程度に取り入れ、なるべく体重計に乗る機会を増やし、BMI値が25を超えないよう、管理しておきましょう。