30代後半(中年期)以降の年代で、定期的にフィットネスなどの軽い運動習慣を持つ人は、65歳以降の「晩年」と呼ばれる時期に、うつ病や心臓系の疾患で苦しむことが少ない、ということが、アメリカの精神医学研究でわかってきました。
運動習慣は慢性疾患の予防に?
街のフィットネスクラブのプログラムにあるような、ウォーキングやランニング、腹筋背筋、スクワットなどの有酸素運動を取り入れることは、これまでにも、慢性疾患の予防になることがわかっていました。
しかし、中年期(30代後半以降から60代前半ぐらいまで)限定でのフィットネスレベルと、その後の晩年のうつ病発症リスクや、心血管疾患による死亡リスクとの関連は調べられていませんでした。
その研究を、アメリカ、テキサス州ダラスにあるクーパー研究所が行い、研究発表がありました。
研究では、地域ごとの予防医学のデータを基に、1971年から2009年という長期間のデータと、2015年から2017年のデータが解析されました。
この中から、
- うつ病 約2,700件
- 心血管疾患が原因での死亡 約610件
- うつ病発症後に心血管疾患に罹患し死亡したケース 231件
が観察されました。
中年期からの運動習慣の有効性とは?
この結果により、中年期にフィットネスレベルが低かった人と、高かった人を比較すると、次のようなことがわかったのです。
(全て、フィットネスレベルが高かった人の結果です)
- うつ病の発症率が16%低い
- 心血管疾患が原因での死亡率(うつ病と関係なし)61%低下
- うつ病発症後に心血管疾患が原因での死亡率 56%低下
軽い運動習慣は気分転換に
食生活と並んで、軽い運動習慣を取り入れることは、日本でも推奨されていますが、うつ病の発症リスク低下にもつながるとは驚きですね!
確かに、軽い運動を取り入れている時は、健康的にお腹が空き、食べた後も、食べ物の栄養成分が、カラダに染み入るように感じ、気分も清々しくなるものです。
そういった経験が、毎日少しずつ積み重なると、うつ病とは無縁になれそうな気がしますよね。
うつうつとした気分が続くときは、涼しいお部屋の中でもできる、スクワットや腹筋背筋、そして早朝からお子さんと一緒に、ラジオ体操を取り入れるのもいいですね。
フィットネスクラブに通わなくてもできる有酸素運動もあるので、ぜひ未来の健康のために、アラサーを過ぎたら、特に注意して運動習慣を持つようにしましょう。