加齢とともに進行しやすい目の病気「加齢黄斑変性」。
聞きなれない方も多いと思いますが、年配の方で悩んでいる人は多いものです。
この目の病気は、日ごろの食生活も原因の1つに挙がっているので、どんなものが目の病気につながってしまうのか、チェックしておきましょう。
加齢黄斑変性の発症と進行、食生活が影響か?
ニュージーランドのオークランド大学の最新眼科研究によると、日ごろの食生活が原因となって、加齢黄斑変性が発症し、進行することがわかってきました。
研究によると、西洋型の食生活を送っている人は、特に、加齢黄斑変性のリスクが高いそうです。
西洋型の食事とは、赤身肉(特に牛肉)、加工肉(ハム、ウィンナー、ベーコンなど)、高脂肪製品(バター、揚げ物、生クリームなど)、フライドポテト、精製穀物(白く生成された小麦粉類)、卵などの食材を多く使う料理のことです。
ハンバーガーやピザなどのファストフード、フランス料理などが該当します。
加齢黄斑変性を予防または改善する食生活とは?
逆に、地中海式の食事や、東洋型の食事(中華料理、韓国料理、和食など)は、加齢黄斑変性のリスクが低く、進行するケースも少ないとのことです。
地中海式も東洋型も、どちらの食生活も、食材には、野菜、豆、果物、全粒穀物、トマト、魚介類が豊富なことが上がっており、これらの食材から、目の網膜に必要な栄養成分が補えるから、と考えられています。
特に加齢黄斑変性のリスクを下げる栄養成分とは?
緑黄色野菜に多く含まれるカロテノイドと、魚介類や一部の植物油から摂れるオメガ-3系脂肪酸は、特に加齢黄斑変性のリスクを下げるそうです。
しかし、GI値(血糖値上昇指数)を上げてしまう食品(白く生成された小麦粉や白糖など)を好んで食べる人は、目の病気のリスクが高まるようですね。
スイーツやパン食、小麦粉でできた麺類を好む人は、特に注意しておきましょう。
※参考:『臨床・実験眼科学』
加齢黄斑変性とは?
眼球の網膜の中心にある直径1.5mm~2mm程度の小さな部分のことを「黄斑(おうはん)」と言い、私たちが見ている部分から光が当たる部分です。
キサントフィルという黄色い色素成分が、豊富に存在しているため、黄斑と言います。
とても小さな部分ですが、視力を左右する絶大な働きがあるので、この部分が弱くなると、字が読みにくくなり、運転免許も取り消しになる可能性があります。
黄色い色素成分を豊富に保つためにも、赤や黄色い色素成分を持つ食材からのカロテノイド摂取は重要となるのです。
視力を守るためにも、緑黄色野菜はきちんと食べておきたいですね。
そして、「加齢黄斑変性」という病気についてですが、この黄斑が弱る病気のことで、加齢とともに、起きやすくなるので、病名になっています。
しかし、欧米型の食事をしている欧米(イギリス、フランス、アメリカ、北欧など)では若者でも、加齢黄斑変性になっている人口は多いのです。
日本でも、欧米型の食生活を送っている人は、若年層でも、この目の病気にかかりやすく、年々、増加傾向だそうです。
さいごに
加齢黄斑変性は失明の原因の4位に挙がっている怖い目の病気です。
50歳以上になると人口の1%(100人に1人)の割合で、罹患率が高まります。(日本眼科学会調べ)
野菜や魚介類を多く含む和食は、加齢黄斑変性のリスクが少ない食事内容となっているので、できる限り和食を取り入れ、外食ではイタリアンやスペイン料理など、地中海料理を楽しみ、特に緑黄色野菜は進んで食べるようにしましょう。