女性の場合、30代後半から徐々に女性ホルモンの分泌が低下していき、一般に50代以降に閉経を迎えることになります。
しかし、食生活や生活習慣の乱れから、40代の早期閉経なども懸念されていますね。
そうすると、女性は骨密度が格段に低くなります。
そんな助けとなるのも、やはり食生活を整え、その中で、大豆タンパク質を進んで食べておくことが得策のようです。
女性の骨の特徴
骨密度は、一般に二十歳をピークに、徐々に低くなっていくので、食事から骨の材料となるカルシウムと共にタンパク質やビタミンKやD、C、鉄、マグネシウムなどを摂って骨量を維持しなければいけません。
しかし、前述のように食生活などの乱れと、女性の場合は、女性ホルモンの影響で、40代に突入すると骨は加齢と共に骨密度も急速に低下していくのです。
そうすると、40代の「四十肩」、50代の「五十肩」をはじめ、骨折しやすくなったり、転びやすくなったりと、骨のもろさが原因の症状が目立つようになります。
骨量を守るのに、一生懸命、カルシウムのみを補給していても、カルシウムの貯蔵庫でもある骨量は保たれないので、カルシウムが骨にしっかり貯蔵されるように、前述の栄養成分も一緒に摂る必要があるのです。
特に閉経前後の女性は大豆タンパク質が大事!
タンパク質食品は肉や魚介類、大豆製品といろいろありますが、カルシウムも一緒に摂れる魚介類が一番大切なように思えますよね。
しかし、アメリカのミズーリ大学での最新「骨」研究によると、特に閉経前後の女性においては、大豆タンパク質の摂取が有効なことがわかってきました。
研究では、ラットを用いた実験が行われ、閉経状態のラット(卵巣が摘出されたラット)と正常のラットで比較しています。
それぞれ、トウモロコシが主食、大豆が主食の2つのグループに分けています(合計4つのグループ)。
- 【A】閉経状態のラット、トウモロコシが主食
- 【B】正常のラット、トウモロコシが主食
- 【C】閉経状態のラット、大豆が主食
- 【D】正常のラット、大豆が主食
その結果、【C】、【D】の大豆が主食であったグループにおいて、どちらも骨密度が高まることがわかりました。
特に【C】の閉経状態であった場合のラットは、脛骨(けいこつ)の骨密度が有意に高くなっていたそうです。
※参考:『骨レポート』2018年5月
脛骨とは、脚のすねの内側にある長い骨のことで、ここの骨密度が低くなると、脚を傷めたり、骨折しやすくなるので、大豆製品の摂取を増やして丈夫にしておきたいですね。
大豆はどれぐらい食べれば骨密度UPに?
こういう実験結果を読むと、たくさんの大豆を毎日食べ続けないといけないのでは? と思いがちですが、和食ベースの食生活を送っている人なら、1日のどこかで大豆製品は食べているものなので、その程度で十分だそうです。
目安としては豆腐1/4丁程度です。冷奴1個分、みそ汁の具1杯分です。
工夫して毎日大豆製品を摂るようにしましょう。
今は和食離れがおきているので、毎日大豆製品を口にする人は少なくなったかもしれませんが、身近な食材なので、少し意識するだけで簡単に実践できます!
- 冷奴 1食(豆腐1/4丁ほど)
- みそ汁の具 ( 〃 )
- 豆乳 コップ1杯
- ソイラテ
- 大豆の煮豆 小鉢1杯程度
- 枝豆 2つかみ
- 納豆 1パック
- 煎り大豆
今は、おやつからも健康に! ということで、煎り大豆やきなこをチョコレートでコーティングした製品なども出ているので、そういったものを利用するのもいいでしょう。
さいごに
大豆製品は、大豆イソフラボンが女性ホルモンの化学構造と似ている為、骨密度だけではなく、女性特有の不調(イライラ、言い知れぬ不安感、焦燥感、不眠)などを緩和し、精神安定の作用も期待ですね。
豆腐や大豆類を食べる機会が少ない人は、いつものカフェラテをソイラテにすることからはじめてみましょう。