9月も中盤にさしかかり、猛暑日もなくなってきて、これから秋、冬へと寒い季節に移行していきますね。
現代は暖房設備が整っているので、そう寒さに耐えのしのぶ機会は減っていますが、寒さに耐えれば耐えるほど、やせる脂肪「褐色脂肪細胞」が活性化し、そして同じような作用をする「ベージュ脂肪細胞」ができることがわかってきました。
詳細を見てみましょう。
褐色脂肪細胞とは?
前回の記事で、脂肪細胞の特徴と、カラダに脂肪を蓄える作用のある白色脂肪細胞のお話しをご紹介いたしました。
本日のテーマの1つである「褐色脂肪細胞」は私たちが産まれた時に自然と備わった脂肪細胞のことで、主に、首、肩、背骨、鎖骨のあたりに存在し、寒さを感じると燃えだします。
そして体内に蓄えられた白色脂肪細胞を燃焼し、カラダを温め、そして白色脂肪細胞が確実に減っていくので、「やせる」作用が期待できるものです。
しかし、現代の冬は暖房で温度管理されているので、褐色脂肪細胞はなかなか出番がなく、余分にたまってしまった脂肪細胞も燃やされない状態で、太る人が増えてしまったのです。
ベージュ脂肪細胞とは?
褐色脂肪細胞が生まれつきカラダに存在するのに対し、ベージュ脂肪細胞は寒さに耐えていると、新しく生成される脂肪細胞です。
機能としては褐色脂肪細胞と同じような働きをし、カラダが寒さを感じ、ベージュ脂肪細胞が体内に生まれてくると、白色脂肪細胞を燃やしてカラダを温め、そしてやせる効果が期待できる細胞なのです。
やせる脂肪を有効活用するには寒い状態に慣れること?
白色脂肪細胞は、日頃の食事などでコントロールできますが、褐色脂肪細胞とベージュ脂肪細胞は、食べ物でコントロールできず、どちらも「寒さに耐える」ことで有効活用されます。
冷房の寒さで耐えるのは、あくまで適正温度よりも低め程度なので、この2つの脂肪細胞が有効活用されるとは言い難いですが、朝晩涼しくなってくるので、その冷気から少しずつ、秋冬の外気に慣れておくといいでしょう。
秋冬の通勤時に「寒い!」と感じる機会を増やしておくと、カラダはどんどんベージュ脂肪細胞をつくりだし、そしてもともと備わっていた褐色脂肪細胞も燃えだします。
またベージュ脂肪細胞がこうして増えた人たちは、東京大学の統計では、肥満やメタボになりにくいということがわかっています。
真冬でもスポーツに明け暮れるアスリートなどが良い例でしょう。
さいごに
まだ「寒さ」については考えにくい季節かもしれませんが、一雨ごとに涼しくなってくる季節のはじめに、このことを念頭に置いておくと、秋冬太りの対策になることでしょう。
一般に、「夏の暑さに耐えるより、冬の寒さに耐える方が痩せる」という説は、こうした脂肪細胞のカラクリがあったからなのですね。