手足が何となくしびれているように感じたり、階段の上り下りが辛い、長時間歩くのが苦痛という人は脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)に罹っているかもしれません。
高齢者に多い疾患と思われていますが、40~50代の働き盛りの人にも多いようなので、その原因や予防&改善食などを知っておきましょう。
脊柱管狭窄症とは?
脊柱管(せきちゅうかん)とは、頭部から首、背骨、腰まで繋がる骨にそって存在する管で、その中に神経が通っています。
主に老化や姿勢の悪さ、そして太ってくると脂肪に圧迫されて、その管の中が狭くなり、中の神経も圧迫される病気が脊柱管狭窄症です。
この病気になると、しばらく歩いているとお尻から足にかけて痛みやしびれが生じます。
時折、お年寄りの方や、肥満体型の人が、途中で歩行をやめ、腰を押さえながら一休みしている光景を見かけますが、おそらく脊柱管狭窄症の症状だと言えるでしょう。
脊柱管狭窄症を予防するには?
老化や姿勢の悪さ、肥満などが主な原因ではありますが、日々の食事から靭帯や筋肉、骨などの組織を健康に保っておくことが予防となります。
姿勢を正すことなども大切ですが、やはり体内の組織を支え、それらの組織をつくる材料は、私たちが毎日食べる食事から得られるものです。
それにはエラスチンを多く含む食材や、魚を骨ごと食べられる食材が有効でしょう。
エラスチンが豊富な食べ物とは?
脊柱管狭窄症の予防や改善には、骨と骨をつなぐ靭帯が健康で、柔軟でなければいけません。
しかし、靭帯の柔軟性や弾力性、伸縮性といった働きは、加齢と共に失われていきます。
また若年層でも偏った食事や、運動不足、姿勢の悪さで、靭帯まで不健康になっているケースもあります。
そうすると、背骨を構成する椎骨(ついこつ)を支えられなくなるので、背骨が傾いて、脊柱管の神経が圧迫されてしまうのです。
靭帯の主成分は、エラスチンというタンパク質で、これを含む食材を日頃の食事に取り入れておきましょう。
牛スジ、ハツ、鶏の軟骨、皮、手羽先、しらす、いわし、鮭、カツオなどです。
関西地方では「おでん」やお好み焼きに牛スジが入っているので、食べる習慣がありますが、関東の方も、これから恋しくなる「おでん」などの煮込み料理に入れてみてください。
カルシウム、マグネシウム、コラーゲンも靭帯の健康を支える
また靭帯の健康を保つには、骨や皮まで食べられる魚もいいと考えられています。
旬の時期に加工する缶詰や、干しもの、小魚を利用するといいでしょう。
缶詰なら、高圧で加熱処理するので、骨や皮も柔らかくなっており、丸ごと美味しくいただけますね。
魚の骨の主成分はカルシウムの宝庫ですし、カルシウムの吸収をよくするマグネシウムも豊富です。
また、魚の皮には、靭帯の弾力や筋力を維持するのに必要なエラスチンをはじめ、コラーゲンも含まれています。
そして魚はタンパク質食品の代表格でもあるので、タンパク質補給にも欠かせませんね。
食材に含まれるコラーゲンやカルシウムが即、ヒトの靭帯になるわけではありませんが、一度体内に取り組まれた後、アミノ酸などに分解されてから、私たちの靭帯をつくる材料となって、靭帯を健康に保ってくれるでしょう。
魚の缶詰は、サバ缶、さんま、シーチキン(カツオやマグロ)、いわし(オイルサーディンやアンチョビなど)、また各地方で、その海で獲れる珍しい魚の缶詰もあるので、お気に入りを探してみましょう。
さいごに
靭帯の健康を保つ食材は鶏肉の各部位や魚が多いようですね。
鶏肉系なら、コンビニやスーパーでも各部位の”焼き鳥”が買いやすいですし、缶詰なら、忙しい時に開けてすぐに食べられるので便利です。
これらに野菜のお惣菜を1~2品加えれば、脊柱管狭窄症の予防や改善につながっていくでしょう。