高血圧や動脈硬化の予防から、食生活では「減塩」が推奨されるようになって久しくなりましたね。
しかし、日本の高血圧人口は、なかなか減らない模様……。
一部の医療機関では、ついに「減塩外来」が登場したほどです。
やはり具体的に指導してもらわないと、注意喚起だけでは実践しにくいのでしょうか?
詳細を見てみましょう。
塩分は1日にどれぐらい摂っていいの?
「塩分を控えましょう」と言われても、具体的にどの程度控えればいいのかわからない! という方も多いことでしょう。
厚生労働省が生活習慣病予防として定めている塩分摂取量は、
- 男性 8g未満
- 女性 7g未満
となっています。
しかし、実態は、男女ともに、1日平均約10gは摂っているのです。
なんと、男性が好きなラーメン1杯の塩分平均は10g。
よく高血圧予防のリーフレットに、ラーメンのイラストにバツ印がついているのはそのためだとも言います。
牛丼、ラーメン、コンビニ弁当、ファストフードなどでご飯を済ませていると、10gどころか、あっという間に30g近く摂ることにもなりかねません。
塩分と血圧の関係とは?
塩分を食事から摂り過ぎてしまうと、血液中の塩分濃度が高まり、私たちのカラダは、それを薄めるために血液中に水分を取り込み始めます。
そうすると、血液量が増えてしまうので、血管に圧力がかかって、上昇してしまうのです。
それが「高血圧」のからくりです。
また顔やカラダがむくんでみえるのも、こうして血管に負荷がかかっているからなのです。
減塩は調味料を気を付けよう!
「塩分」というと、食塩そのものを思い浮かべがちですが、醤油やソース、マヨネーズ、ケチャップ、ポン酢、市販のドレッシング類にも含まれています。
これらは、せっかくお料理の塩分が低くても、出来上がったお料理の上からかける調味料なので、塩分を過剰にしてしまっています。
調理の時のように、大さじや小さじで測らず、容器ごと目分量でかけてしまうのも、塩分過剰の原因となるので、注意しましょう。
減塩外来の実態とは?
医療機関によって違うようですが、減塩外来の概要は、1日の平均血圧を測定した上で、1日の塩分摂取量を測定し、この2つの結果から減塩法が指導される、というのが大筋だそうです。
減塩法では、1週間だけ徹底して減塩を心がけ、その後、普通食に戻し、それを1ヶ月サイクルで行う方法が、最も効果があると考えられています。
1週間だけ塩分を極力ガマンすれば、普通食に戻した時に、味が濃く感じられて、自然と薄味に慣れていくので、3ヶ月もすれば、減塩に成功するのだそうです。
これなら続けられそうですね。
減塩を実生活で取り入れよう!
お料理をする方は、いつもの醤油を「減塩醤油」に切り替えたり、様々な商品を選ぶ際に「減塩」のキーワードを意識すれば、塩分量は減らしていけるでしょう。
問題は、外食が多い人や、スーパーやコンビニのお惣菜を利用する人です。
揚げ物やおでんなどには、後付けする調味料がついてきますが、それを辞めてしまいましょう。
素材そのものにもかなり下味が施されているので、次第に慣れていくでしょう。
サラダのドレッシングも減塩にするか、オリーブオイルに2ふり程度の食塩に変えてみると次第にオリーブオイルの美味しさに目覚めます!
肉類はウィンナーやハム、ベーコンなどの加工肉は控え、お肉そのものを調理したメニューにチェンジ。その際の調味料も軽く塩コショウ程度にしておきましょう。
魚介類も干物や塩蔵のものはさけ、生のものを調理するのがオススメです。
例)塩鮭→生の鮭、サンマの開き→生のサンマ、白身魚の西京漬け→白身魚そのもの(鱈、鯛、さわらなど)
野菜のお惣菜については、野菜に塩分を排出するカリウムが含まれるので、市販のお惣菜については多く摂りすぎなければ許容範囲です。
さいごに
食生活の自己管理は、美味しい食べ物の誘惑が多く、なかなか大変ですが、血圧が高めの人は、早めに対策をとっておかなければ、動脈硬化や、心筋梗塞、脳梗塞と、ひどくなるにつれ、命取りになります。
「減塩外来」が登場するほど、国民の高血圧人口は増えているので、スイーツなどの糖質と同様、「減塩」にも気を配っておきたいですね。