肥満やメタボと共に悩む人が多い「高血圧」。
健康診断の時期になると、さらに気になってくる方も多いことでしょう。
高血圧の人は、将来、認知症になりやすい!? というイタリアからの最新研究もあるので、気を付けておきたいですね。
詳細を見てみましょう。
高血圧の人は認知症になりやすい?
イタリアのニューロメッド地中海神経学研究所の研究発表で、高血圧の人は、そうでない人よりも、認知症のリスクが高まることがわかってきました。
MRIの検査で、高血圧の人は、脳が損傷している兆候が早期に発見できるため、わかったそうです。
高血圧は臓器の損傷を早める?
高血圧の影響は、脳だけに限らず、血管に圧がかかっているため、血流が悪くなり、体内の各臓器が全体的に損傷を受けやすい状態になっています。
アルツハイマーや認知症は、脳に損傷があると、認知機能などに支障が出て、疾患として診断されてしまいますが、遺伝よりも、血管の病気が主な原因だと考えられています。
高血圧は有意に脳の認知機能を弱める?
イタリアの研究では、ニューロメッドの高血圧センターで40~65歳の高血圧患者を対象にMRIの検査を実施しました。
検査開始時では、認知症や脳機能障害のない人たちが対象となっています。
しかし、高血圧患者さんたちは、脳の3つの領域で、認知機能のスコアが有意に低いことがわかりました。
これは脳に存在する「白質線維束」を通じて連結される認知機能で、その3つとは、
- 課題学習
- 処理速度
- 実行能力
ということです。
※参考:『循環器研究』2018年6月
どれも、日常生活に欠かせない要素ですよね。
未来の認知症だけでなく、高血圧によって、こうした大切な認知機能が鈍ってしまうのは残念なことなので、日頃の食生活や生活習慣で、高血圧はぜひとも避けておきたいですね。
食生活では塩分を極力カットして高血圧予防!
高血圧の原因は、主に、塩分の摂りすぎ、アルコールの摂りすぎ、喫煙などの生活習慣が挙げられていますね。
塩分の摂り過ぎは、ちょっとした工夫で、かなり防げるので、以下を参考にしてみてください。
- お惣菜に醤油やソース、塩をかけるのをやめる
市販のお惣菜、特に揚げ物などは下味がしっかりとついているので、ソースや醤油をさらにかける必要はないでしょう。
野菜のお惣菜も、お出汁をはじめとした調味料で味付けされているので、さらに調味料を追加するクセをなくしてしまいましょう。 - 香辛料や香味野菜を利用する
お寿司やチャーハンなどのご飯ものも、下味がしっかりとついていますね。
お寿司の場合は酢飯にお酢や甘味がついているので、わさびの辛味だけで食べられるでしょう。
チャーハンなどもソースや醤油をかける人が多いですが、調理の際、中華だしや塩コショウ、ガーリックや生姜、ネギ、タマネギなどでしっかり下味がついているので、その味に慣れるようにしましょう。 - 減塩調味料を愛用する
醤油、味噌、ソース、ケチャップ、マヨネーズなど、常備している調味料はどれも減塩のものが製品化されていますね。
最初は物足りないように感じるかもしれませんが、2週間もすれば、薄味に慣れてくるでしょう。
この3つだけでも徹底すれば、かなり塩分を節約することができます。
さいごに
家計簿を節約する時に、何が削れるか吟味しますが、食事からの減塩も、同じ要領で食事の際、「この塩分は削れるのではないか?」と考えるクセをつけると、楽しいでしょう。
こうした減塩活動が、未来の認知症を防ぎ、目前の高血圧を予防し、そして脳の認知力を守ってくれることでしょう。