11月に入ると、早くもクリスマスや年末商戦に入り、11月末には一足先に忘年会を実施する企業も出てきますね。
そこで気になるのが「飲みすぎ」です。
20~30代の若い世代は、上司のご機嫌取りなどで、ついつい飲みすぎてしまうものですが、自分で「お酒に強い!」と自負していても、早期の脳卒中や心疾患の危険が潜んでいるかもしれません!?
アメリカの若年層を対象とした最新研究を見てみましょう。
若い頃の飲みすぎ頻度は早期の生活習慣病に!
アメリカのヴァンダービルト大学の研究発表によると、飲みすぎる機会が多い若者は、そうでない人たちと比べると、若年層にして、血圧、コレステロール値、血糖値など、循環器疾患のリスクが高くなるとされている数値が、有意に高いことがわかりました。
同大学では、2011~2012年と、2013~2014年のアメリカにおける『国民健康・栄養調査』に参加した18歳から45歳の男女約4,700人を対象に、高血圧、コレステロール値、血糖値と循環器系疾患の関連を調査しました。
そして、【A】非飲酒者、【B】過剰飲酒の頻度が年に12回未満、【C】過剰飲酒の頻度が年に12回以上、と3つのグループに分けて分析しました。
どれぐらいの人が過剰飲酒に該当?
調査の結果、【C】グループに該当する人たちは男性の約25%、女性は約12%、【B】グループに該当する人たちは男性約29%、女性約25%となりました。
年代別にみると、20歳前後の大学生に該当する年代の5人に1人が、調査時の過去2週間以内に3回以上の過剰飲酒をしていたことも明らかになっています。
結果は……!?
若年層に対象をしぼって、過剰飲酒している男性は、女性と比べてその割合が高いため、比較すると収縮期(最大)血圧が全体に高い傾向があり、そして過剰飲酒の頻度が高ければ高いほど、血圧はもちろん、高コレステロール値の可能性が高くなっているそうです。
近年、アメリカの若年層の脳卒中や心疾患が増えているのは、こうした背景があるからだと考えられています。
※参考:『米国心臓学会雑誌』2018年7月
日本での飲酒習慣は?
日本での飲酒習慣は、厚生労働省の調査によると、男性では40~69歳の世代が一番多く、女性では30~59歳の世代が多くなっています。
しかし、男女差で比較すると、どの年代も男性は女性よりも2.5~4倍近く飲む量が多いので、やはり飲酒にまつわる疾患は、日本でも男性の方が多いですね。
※参考:厚生労働省HP
日本の場合、まだ20代は他の世代に比べると飲む量が少ないですが、あくまで統計上のことで、個人的に過剰飲酒の頻度が高い人は、アメリカの最新研究の発表の通り、早期の生活習慣病のリスクが高いと自負しておきましょう!
さいごに
飲酒習慣は、例え少量でも、毎日お酒を飲んでいる人は早死リスクが高くなるという研究発表もあるので、過剰飲酒の頻度が高い人は要注意ですね。
お酒をつい飲みすぎてしまう人は、飲む前にコップ1杯の水を飲んだり、居酒屋では野菜のお通しを1皿、食べてしまってから飲みだすと、お酒を飲む量が自然と減らせるかもしれません。
スイーツ好きの人と同じように、お酒好きの人にとって自制することは難しいかもしれませんが、「飲む量を減らせる」環境にすることも視野に、お酒とつきあうようにしましょう。