緑茶を、茶葉から淹れる時、水道水を使うか、浄水器の水を使うか、ミネラルウォーターを使うか、などで、抽出される栄養成分が違ってくることがわかってきました。
アメリカの最新栄養研究を見てみましょう。
お茶は淹れる時の水の種類によって栄養価が違う?
アメリカのコーネル大学の栄養研究で、緑茶と紅茶を、水道水、脱イオン水、ミネラルウォーター(軟水)の3種類で抽出して、それぞれの栄養価を計測しました。
そうすると、特に緑茶においては淹れる時に使用する水によって抽出される栄養価が違ってくることがわかったのです。
水の温度(お湯の温度)、水と茶葉の割合、蒸らし時間などの条件はどれも同一に揃えて計測されました。
この実験で使用された「脱イオン水」はマグネシウムやカルシウムを取り除かれたものが使用されています。
カテキン量は水道水では低い?
緑茶と紅茶は、共通成分として「茶カテキン」が含まれますが、カテキンに関しては、いずれも、水道水では含有量が低く、ミネラルウォーターや脱イオン水ではカテキン量は水道水のものよりも2倍も多く含まれていた荘です。
アメリカの水道水には、カルシウムや鉄、マグネシウムが含まれており、これらの栄養素のイオンが茶カテキンと統合してして茶葉側に残り、抽出液に溶けだされなかったということです。
緑茶の香りは水道水の方が高い?
一方、お茶の香りや甘味など、美味しさにまつわる要素は、紅茶ではどの水でも変化は特になかったようですが、緑茶に関しては、水道水で淹れたものが、一番薫り高く、甘味が感じられることが統計調査によりわかりました。
それは前述のように、水道水で緑茶を淹れた場合のカテキン量が少ないことが起因しているようです。
カテキンは緑茶特有の「苦味」の元にもなっています。
そのため、水道水ではカテキンが液体に抽出される量が少ないので、薫りや甘味が感じられるのですね。
ただし、水道水で淹れた緑茶の場合、様々な健康効果が発表されているカテキンそのものの栄養価は低くなるとのことなので、緑茶の栄養価をとるか、味をとるかは飲む人の好みに分かれるところでしょう。
※参考:『Nutrients』2019年1月
さいごに
緑茶は日本人にとっては欠かせない飲み物ですが、現代は海外から様々な飲料が入ってきている上、清涼ドリンクの開発も進んでいるので、緑茶離れがおきているようですね。
緑茶は、糖度の高い食品と一緒にとると、血糖値の急上昇を緩やかにしたり、ウイルスや細菌の殺菌作用があることでも知られていますね。
これはたいてい、カテキンによるものなので、少々苦くても、カテキン含量が高い緑茶を飲みたい、と個人的に思います。