焼肉や牛丼、しゃぶしゃぶ、ハンバーガーなどなど、牛肉が大好きな方も多いことでしょう。
しかし、この牛肉を始めとする「赤身肉」の摂取を控え、植物性タンパク質の摂取を増やすと、有意に心臓系の病気予防や改善になることがハーバード大学などの研究でわかってきました。
詳細を見てみましょう。
赤身肉を控えるメリットとは?
アメリカのハーバード大学公衆衛生大学院とパデュー大学などの共同研究によると、食事から赤身肉を植物性タンパク質に置きかえるだけで、心血管疾患のリスクが有意に下がることが明らかになりました。
約1,800人の対象者を、大きく2つのグループに分け、【A】赤身肉が含まれた食事を摂る者と、【B】鶏肉、魚介類、炭水化物、豆類、大豆、ナッツ類など、赤身肉を除いたタンパク質を中心とした食事を摂る者とに分けました。
【B】グループはさらに、鶏肉と魚介類を除いた植物性タンパク質のみの食事を摂った【B´】グループもあります。
そして、この2つのグループの人たちに対して、心血管疾患のリスク因子と言われているコレステロール、トリグリセリド、リポタンパク質の血中濃度、血圧などの数値を調査し、比較検討しました。
その結果、赤身肉を摂取していない【B】グループの人たちは心血管疾患のリスクが【A】グループの人たちよりも低くなったのです。
赤身肉を控えるだけで健康に?
【A】と【B】グループを比較すると、赤身肉の多い食事は、トリグリセリド濃度が高くなり、その面からも心血管疾患のリスクが高くなります。
しかし、コレステロール値やリポタンパク質、血圧などの大差は見られませんでした。
そこで、【B】グループをさらに植物性タンパク質のみの【B´】グループの人たちと【A】グループを比較検討すると……!?
なんと、総コレステロールとLDLコレステロールの数値が両方とも【B´】グループの人たちは低濃度であることがわかったのです。
すなわち、心血管疾患のリスクも低いということです。
赤身肉を控えるだけでも健康度は上がりますが、ベジタリアン食に近い人たちの方が、さらに心血管疾患のリスクに関しては、より低くなることがわかったのです。
さいごに
以前から、循環器系の研究で、赤身肉の摂取を控え、かわりに豆類やナッツ類などの植物性タンパク質の摂取を増やすと、心臓発作のリスクが下がることはわかっていました。
研究者たちは、今回の研究結果で、その節が正しいことがわかったと述べているそうです。
※参考:『循環器』2019年4月
本日から2019年度のゴールデンウィークがスタートしますね。
ご馳走三昧の休暇を過ごす人も多いことでしょう。
くれぐれもバーベキューや焼肉などで、赤身肉を食べすぎないようにしましょう。