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卵のコレステロールは脳卒中と関係なし?北欧・研究

卵に含まれるコレステロールの健康被害は、いまだに信じている方も多いようですね。
確かに病気によっては医師の指示で控える必要はありますが、フィンランドの最新栄養研究で、そういった卵の疑問を解く研究報告が発表されています。
詳細を見てみましょう。

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卵のコレステロール「脳卒中リスク」の心配なし?

東部フィンランド大学の栄養研究によると、こと「脳卒中リスク」に関しては1日1個程度の卵摂取なら心配ないことが明らかになってきました。
また、フィンランド人に多い、コレステロール代謝に影響があると言われている「APOE4遺伝子変異」についても卵との関連は見られなかったということです。

「APOE4遺伝子変異」とは?

「APOE4遺伝子変異」とは、アポリポたんぱく質のことで、日本でも認知症の検査でこの「APOE4」の血中濃度が測られています。「APOE4」の血中濃度が高いと、アルツハイマーや認知症リスクが高いと言われています。

卵は矛盾報告が多い

これまでの研究で、卵とコレステロール値の関連は、矛盾した報告が多くあがってきていました。
卵の摂取がコレステロール値を上げ、脳卒中リスクを高めるといった報告がある一方で、その全く逆の報告もありました。
卵の摂取がコレステロール値を下げ、脳卒中リスクも低下する、といったものです。
そこで今回の研究では、その矛盾点を追及すべく調査が行われました。

卵の摂取は脳卒中リスク、「APOE4」共に関連なし?

健康診断の数値がほぼ正常で健康な大多数の人にとっては、卵は敵視する食材ではありません。
また健康な人が卵を少し多めに(1日3個ぐらいまで)食べたとしても、卵に含まれるコレステロールが、ヒトの血清コレステロールに影響することはほとんどないということです。
しかし、前述の認知症リスクを高める「APOE4遺伝子」に関しては、卵の摂取が懸念されていましたが、今回の研究で、これも関連は見られないことがわかりました。

研究の詳細は?

研究では虚血性心疾患の調査において、心血管疾患のリスクがない42歳から60歳の男性約2,000名を対象に、1984年から1989年の5年間の食事調査を行いました。
そのうち約半数の人が「APOE4遺伝子」の検査を受け、32%がこの遺伝子を持っていました。

その後、21年間かけて追跡調査を行い、対象者のうち217名が脳卒中の診断を受けました。
しかし、データを解析した結果、卵の摂取も、食品からのコレステロール摂取も、どちらも脳卒中とは関連していないことがわかったのです。
すなわち、対象者の脳卒中も、卵摂取が原因でそうなったわけではない、ということです。

そして遺伝的に「APOE4遺伝子」を保有している人たちでも、卵の摂取は影響していないということです。

コレステロール値は卵摂取では上がらない?

21年もの追跡調査中、最も血清コレステロール値が高かった人たちは、コレステロールの摂取量が1日520mgもありました。
しかし、この人たちの平均卵摂取量は1日1個弱でした。
そのため、卵の摂取によってコレステロール値を上げているとは言えないのです。

研究者たちは、この研究は21年もの長期にわたる調査ではありましたが、対象者が心血管疾患リスクがない人たちであったので、今後は、そういったリスクがある人も対象に入れ、そして数万人規模の調査をする必要があると述べています。
※参考:『米国臨床栄養学雑誌』2019年5月

さいごに

対象者がやや少なめとはいえ、長期にわたる研究でわかった内容なので、卵の健康被害説を払しょくするにはいい研究報告ですね。

卵はヒトが必要とするアミノ酸、全てをあわせもつ「完全栄養食」とも言われているので、アレルギーやドクターストップがかかっていない健康な人は、コレステロールを恐れずに、1日1個(3個ぐらいまで)を目安に取り入れてみましょう。