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フレイルが深刻化!?対策は?

長寿国の1つである日本では、高齢者特有の疾患対策に追われていますね。
特に高齢の女性に多いフレイルは認知症の初期段階とも言われ、身体的にも精神的にも衰えていく、静かなる老化現象です。
フィンランドの最新栄養研究で、程度のタンパク質摂取がフレイル予防になるとのこと。詳細を見てみましょう。

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フレイルとは?

「フレイル」とは、最近、高齢者対策でよく聞く言葉ですが、具体的に何のこと?
と思っている方も多いことでしょう。

フレイルは、家に閉じこもりがちになり、低栄養状態で、認知機能が低下している状態を指します。
食が細い高齢女性に多く見られる状態で、全体的に筋力が低下しているので、食事面でも「噛む」「飲み込む」といった筋力が働かず、まともに食事ができなくなります。
そのため、カラダに必要な栄養が食事から得られず、筋力はますます落ち、認知機能も低下していく、という悪循環に陥るのですね。

こういう状態だと、何をするにも意欲がわかず、身体面はもちろん、精神面、社会面にも影響が出てきます。

フレイル予防に程度のタンパク質摂取を

フレイルは低栄養状態から抜け出し、筋力がある程度つけば、回復しやすい症状です。
そこで、フィンランドでは、東部フィンランド大学とクオピオ大学病院が共同で、65~75歳の440名の女性を対象にフレイルの研究調査を行いました。

対象となった女性たちは、骨粗しょう症や骨折予防の研究プログラムに参加している女性たちで、4年間の追跡調査が行われています。

フレイルは主に筋力低下と低栄養が原因となるので、研究チームは、対象者の食事からのタンパク質量を調査しました。
まず、2003~2004年の間の食事記録から、タンパク質の摂取量を体重から割りだしました。
その後、2006~2007年の間の食事記録を追跡調査し、同様の計算方法で、タンパク質量を割りだし、その数値でフレイルかどうかが診断されました。

その結果、食事から、国が推奨するタンパク質をキチンと摂取していた高齢女性は、フレイルになっているリスクが極めて低く、予備軍と判断された人も少なかったそうです。

筋肉維持に体重1kgあたり1.1gのタンパク質摂取を

筋肉を作る材料は、食事から摂取したタンパク質も原料の1つとなります。
食事から得たタンパク質は、一度、アミノ酸に分解されてから、他の栄養成分と助け合いながら、私たちの筋肉となります。
食事からタンパク質食品の摂取が少なすぎると、その材料がないので、カラダは低栄養状態となり、フレイルの原因となるのですね。
また多すぎてもカラダに支障が出てくるので、フレイル予防としては、体重1kgあたり、1.1g程度のタンパク質摂取が適量と言われています。

一度フレイルと診断されると、食べ物を噛んだり飲み込む筋力も弱っているので、高齢期に入る前の中高年の時から、意識しておく必要があります。

研究者たちは、適量のタンパク質摂取が、フレイル予防になることはわかったが、現実的に、フレイルと診断された人たちが効率よく栄養摂取できる研究も重ねなければいけない、と述べています。
※参考:『欧州栄養学雑誌』2019年5月

タンパク質食品はどれぐらい食べればいい?

健康な人では、1日のタンパク質摂取量の推奨は、体重1kgあたり1gと言われています。
しかし、高齢女性は食事の摂取量が減っているので、少し多い、1.1gがいいとされているそうです。

食品のタンパク質量は、例えば魚1切れ平均100gあたりに20g前後含まれていると考えられています。魚の種類や部位によって違うので、あくまで平均値ではありますが。
同様に肉類では1食平均100gあたり、タンパク質量は25g前後です。

正確にタンパク質量を測るのは困難ですが、日本人女性の平均体重は全体で51~53kgとされているので、1日に魚一切れ、お肉100g程度が目安となるでしょう。
これにプラスして、ごはんやパン、大豆製品にも、タンパク質が含まれているので、ちょうど50gほどのタンパク質が摂取できる計算になります。

さいごに

日本は一汁三菜など、和食をベースとした食生活にしていると、栄養が偏ることは少ないと考えられています。
フレイルでの低栄養もやはり、栄養の偏りで筋力低下、精神不安などに陥っているので、バランスの良い食生活は欠かせない、ということになりますね。
ここではタンパク質のお話に特化しましたが、あわせて野菜や穀類などからのビタミンやミネラルも揃わないと、低栄養状態からは脱出できないので、キチンと摂取しておきましょう。