世界的に糖質オフダイエットがはやり、もう知らない人はいないのでは? というぐらい一般的になりましたね。
しかし、糖質オフダイエットは、元々「糖尿病の治療食」として考案されたものです。
最新のアメリカの栄養研究ではどのように評価されているのでしょうか?
糖質オフは糖尿病の治療食としては◎!
糖質オフは、いつもの食事から炭水化物や糖質の高いものを徹底的に抜く食事法です。
お肉や魚介類などのタンパク質性食品は食べてもOKなので、空腹に耐えることなく実行できることから、多くの人が取り入れるようになりましたね。
糖質オフブームが到来してから、数年がたち、実践者も多いことから、近年では、様々な健康被害も報告されるようになりました。
短期間で体重が減る、というメリットがある一方で、長期に渡って続けると、栄養が偏ったり、結局リバウンドしたり、他の健康被害が報告されるようになったのです。
しかし、糖質オフダイエット(低炭水化物ダイエット)は元々、糖尿病の治療食として考案されたものです。
アメリカのオハイオ州立大学の最新栄養研究では、やはり、糖尿病患者にとっては、有益な食事法だと発表されました。
糖質オフの食事療法と糖尿病の関連
研究では、メタボと診断された男女16名を対象に、4週間ずつ、
- 低炭水化物
- 中程度の炭水化物
- 高炭水化物
の食事を摂ってもらい、経過を観察しました。
食事内容は、炭水化物に関しては、上記の通りですが、タンパク質は推奨量摂り、カロリーは脂肪量が調節されていました。
低炭水化物食は体脂肪率を減らす?
その結果、低炭水化物食を食べていた時期の患者さんたちは、脂質の酸化が促され、体脂肪率が低下し、メタボ症状が改善されていったということです。
特に、中性脂肪、HDLコレステロール値が有意に下がったようです。
そして、低炭水化物ダイエットを実践している期間は、メタボ患者特有の、「異常脂肪酸組成」が改善されたということです。
低炭水化物食なら高脂肪でもいいのか?
糖質オフダイエット(低炭水化物)は一般に、炭水化物や糖質を徹底的に抜けば、高脂肪食でも良い! と言われていますが、実態はどうなのでしょうか?
この研究で用意された低炭水化物食の脂質量は、高炭水化物食の時と比べて、2.5倍も飽和脂肪酸を多く含んでいました。
食事内容から徹底的に炭水化物を減らしていれば、脂質が多めの食事でも、メタボ患者の場合、体内の脂肪量は、確かに減っていたということです。
しかし、アラキドン酸などの値は上昇してしまったので、やはり脂質も摂り過ぎてはいけないようですね。
※参考:『JCIインサイト』2019年6月
メタボ改善と糖尿病予備軍を減らす
一部のメタボや糖尿病予備軍の人たちの体重改善には、やはり低炭水化物食は、有効なことがわかりましたね。
しかし、人によっては、もっと制限が必要な場合もあるようです。
ただし、これはメタボと診断された患者に関してなので、一般の人は、安易に糖質オフダイエットを長期に渡って行うべきではないでしょう。
理想は、メタボと診断される前に、バランス栄養食で健康維持したいところですね。