大豆タンパク質は、イソフラボンやレシチンなど、話題となった機能性成分が含まれ、健康食材の代名詞のように思っている方も多いことでしょう。
しかし、アメリカの「米国食品医薬品局(FDA)」では、大豆タンパク質を『健康強調表示』から取り消すよう指示!?
その危機を脱する研究発表がカナダからあがってきました。
詳細を見てみましょう。
大豆の健康強調表示は取り消す必要なし?
世界の食品基準としても参考にされることが多い「米国食品医薬品局」。
FDAという略称で聞いたことがある方も多いでしょう。
このFDAが大豆タンパク質に対して、『健康強調表示』を取り消す計画だと公表し、世界中で波紋が広がっています。(まだ取り消されていません)
そこで、カナダのトロント大学は、大豆タンパク質と心臓病との関連の調査に乗り出しました。
研究では、過去20年間の関連論文、46件が解析されています。
解析の結果、大豆のコレステロール低下作用は、一貫性のある記述としては欠けていますが、累計だと、どの論文にも、大豆が総コレステロール値とLDLコレステロール値の両方が下がる、という記述が見つかりました。
研究者たちは、大豆タンパク質の『健康強調表示』を取り下げる必要はない、と述べています。
大豆タンパク質はどれぐらいの健康度?
この研究での論文解析では、大豆が各種コレステロール値を下げる割合は、平均5%ということでした。
これだけでは、サンプルが少ないので、主張が弱いそうです。
しかし、大豆タンパク質の場合、単品ではなく、他の植物性食品と組み合すことも多いので、こうした組み合わせを推奨していけば、大幅な効果が見られるそうです。
そうすると、心臓病のリスクは最大30%も低下できるので、『健康強調表示』に値する食材と言えるのです。
この研究発表を考慮に入れ、FDAはまた新たに、大豆タンパク質を『健康強調表示』対象食品から外すのか、続行するのかを決定するそうです。
※参考:『米国心臓学会雑誌』2019年6月
さいごに
日本では幸い、和食の基本食材に大豆が入っているので、摂る機会が多いですよね。
醤油や味噌などの調味料をはじめ、豆腐や納豆、和菓子に使われるきな粉、豆乳などなど。
意識して摂ると大変だと思う方は、牛乳を豆乳に置きかえたり、肉類を一品、豆腐製品に替えてみるなどすれば摂りやすいでしょう。
夏は「冷ややっこ」が恋しくなる季節ですし、枝豆も大豆の若いものなので、摂りやすいでしょう。
心臓系の病気は、呼吸が苦しくなることも多く、ある日突然やってくるので、暑い夏は特に大豆タンパク質で予防しておきたいですね。