野菜&果物&穀類&魚介類と栄養バランスの摂れた健康食は、慢性腎疾患のリスクが30%も低くなることがわかってきました。
オーストラリアの最新腎臓研究の詳細を見てみましょう。
健康的な食事が腎臓を守る?
健康的な食事が腎臓を守ることが、オーストラリアのボンド大学の研究で明らかになりました。
その詳細は、冒頭で述べた慢性腎疾患のリスクが30%低くなることと、尿中アルブミンのリスクも23%低くなることがわかったのです。
尿中アルブミンとは?
「尿中アルブミン」とは、何らかの腎臓疾患になる前段階で、尿中に含まれるアルブミンの量が高いことを指します。
普通に健康な人でも、尿中にアルブミンは排出されているのですが、腎臓に危険信号が出ると、尿中のアルブミン値が高くなってくるのです。
ファストフードばかり食べている人や、肉類やスイーツの摂取が多く、野菜などをほとんどたべていない人は要注意です。
健康的な食事とは?
お話をもとに戻すと、豪・ボンド大学の研究では、約63万人の成人を対象に、平均10年間、食生活と健康診断の数値を追跡調査を行いました。
ここでいう「健康的な食事」とは、「野菜」「果物「豆類」「ナッツ類」「全粒穀物」「魚介類」「低脂肪乳製品」が多い食事のことです。
日本食でいうなら、お米や玄米も、この類に入るでしょう。
一方の「不健康な食事」は、「赤肉」「加工肉」「ナトリウム」「加糖飲料」のことで、「健康的な食事」を摂っていても、「不健康な食事」の摂取が少なくなければいけません。
その結果、「健康的な食事」をとっている人たちは、冒頭で述べたように、腎臓疾患のリスクが低かったのです。
各国の伝統料理やガイドラインを順守するのがキー?
研究者たちは、世界無形遺産にも登録されている「地中海食」、飽和脂肪酸(肉類や乳製品)を抜いた「DASHダイエット食」、そしてアメリカやWHOなどが推奨している各国のガイドラインに基づいた食事法を守れば、腎臓の健康は守れるだろう、と述べています。
参考:『米国腎臓学会臨床雑誌』2019年10月
さいごに
オーストラリアの研究なので、ここに和食が入っていないのが残念ですが、筆者は個人的に、「和食」も世界無形遺産に登録された素晴らしいバランス栄養食であると考えています。
また、パン食中心の欧米食と違い、お米中心の食生活は、おのずと野菜や魚介類を食べたくなる構成なので、腎臓を守る食事ではないかと考えます。
お肉や乳製品の飽和脂肪酸をなるべく控え、白糖で甘くしたスイーツ、アルコール、塩分過多を減らしていきましょう。
野菜とごはん、魚介類は日本人が古来から食べていた食材なので、一番「健康的な食事」となることでしょう。