本日もビタミンDとオメガ3系脂肪酸のサプリメントについて、研究報告をご紹介します。
前回はカナダからの研究でしたが、今回はアメリカからの研究結果です。
ビタミンDとオメガ3系脂肪酸のサプリメントは、2型糖尿病患者の腎疾患を予防しないことがわかってきました。
詳細を見てみましょう。
2型糖尿病患者の腎疾患を予防できないサプリメントとは?
アメリカのワシントン大学の臨床研究により、冒頭のような結果が発表されました。
この研究では、約1,310人の2型糖尿病患者(成人)を対象に、5年間の腎機能の変化を追跡調査したものです。
調査開始時の対象者は、2型糖尿病以外にガンや心血管疾患の症状はなく、そして腎疾患の兆候もありませんでした。
ビタミンDとオメガ3系脂肪酸のサプリを5年間摂取しても……!?
対象者は腎機能の健康状態を測るため、ランダムに4つのグループに分けられました。
- 【A】ビタミンDとオメガ3系脂肪酸のサプリ(オイル)約370名
- 【B】ビタミンDとプラセボのサプリ 約330名
- 【C】プラセボとオメガ3系脂肪酸のサプリ(オイル)約290名
- 【D】どちらもプラセボのサプリ 約320名
この内容で、それぞれ5年間追跡調査が行われたのです。
その結果、平均して腎機能はこの期間中に約15%低下していました。
4つのグループの差は、ほとんどなかったとのことです。
また、尿中タンパク質の排泄量にも違いは見られませんでした。
よって、ビタミンDもオメガ3系脂肪酸のサプリメントも腎疾患の予防にはならないことがわかったのです。(2型糖尿病患者の腎疾患)
この結果は公衆衛生に貢献?
サプリメントで腎機能の予防ができるかどうかは、これまで重要な課題でした。
しかし、この研究結果により研究者たちは、安易にサプリメントに頼っての健康管理は役に立たないことがわかっただけでも、公衆衛生に貢献できた、と述べています。
※参考:『米国医学会誌(JAMA)』
さいごに
ビタミンDとオメガ3系脂肪酸のサプリメントは、日本でもその健康効果を期待して活用している人が多いことでしょう。
しかし、栄養補給は本来、食事から得るもので、サプリメントに頼っていても、さほど効果がないという報告が続々と上がっていますね。
ビタミンDはキノコ類や短時間の日光浴から得られます。
オメガ3系脂肪酸は、魚介類やナッツ類といった食品からの摂取を心掛けましょう。