人生100年時代と言われる昨今、出来る限り元気な状態で高齢期を迎えたいですよね。
それには、若い頃から知識を踏まえ、予防しておくことも大切です。
また、高齢期に入ってからでも、できることはあります!
カナダの最新研究によると、やや高度な筋トレを行うことで、高齢者の記憶力がUPすることが分かってきたのです。
詳細を見てみましょう。
運動習慣のある高齢者ほど記憶力がいい?
同じ80代でも、60代に見えるほど行動が機敏で判断力もしっかりとした人がいる一方、足腰が弱り、独り歩行が難しい人もいます。
その差は、様々な原因がありますが、運動習慣の有無も関係があると考えられています。
以前から、運動習慣のある高齢者ほど、認知症やアルツハイマーの罹患リスクが低く、寝たきりになることも少ない、という研究報告があがっていました。
そんな中、カナダのマクマスター大学からの研究報告によると、高度な筋トレを行った高齢者ほど、記憶力UPにつながっていたことがわかったのです。
強度の高い筋トレほど記憶力がUPする?
研究では、1日の大半を座って過ごしている、健康な60~88歳の高齢者に12週間にわたって週3回程度の運動をおこなってもらいました。(参加者12名)
運動内容は、以下の通りです。
- 高強度インターバルトレーニング(HIIT)
*強度な筋トレ - 中強度の持続的なトレーニング(MICT)
- ストレッチなどの軽いトレーニング
その後、1のグループの人たちは、3のグループの人たちと比べて、記憶力に関して、大きく改善が見られたとのことです。
それぞれの詳細のトレーニング内容とは?
筋トレ好きの方は、近年「高強度インターバルトレーニング(HIIT)」という名前が浸透してきたので、もうご存知の方もいらっしゃることでしょう。
日本で行われているものはさておいて、ここでは、4分間のトレッドミルでの高強度運動。その後に間隔をおいて4セット行ってもらいました。
トレッドミルとは、屋内でのウォーキングまたはランニングを行うマシーンです。
よくスポーツジムで使われているものです。
このトレーニングは上記1のグループの人たちに。
そして2のグループの人たちは、約50分間の有酸素運動(ウォーキングなど)を1セットだけおこなってもらいました。
3については、上記の通りです。
やや強度の運動をスポット的に取り入れると効果的?
先行研究のように、以前から記憶力の低下や認知症予防には、日ごろの運動習慣が大切だと言われていましたが、まだどこの国にも「効果的な」ガイドラインは設けられていません。
研究者たちは、この研究結果が、ハッキリとしたガイドライン作成に役立つことを期待している、と述べています。※参考:『応用生理学・栄養学・代謝作用』
この結果を見ると、やや強度な運動を、スポット的に取り入れるのが、効果的のようですね。
強度な運動を長時間行うと、身体に負担がかかってしまいますが、短時間なら、程度な集中力も高まって、脳に良い影響を与えてくれることでしょう。