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地中海式ダイエットは高齢者のフレイル、認知症予防に良い?アイルランド・研究

和食より先に『世界無形文化遺産』に選ばれた『地中海料理』。
その後、「地中海式ダイエット」という名で世界の医療機関や栄養学会で調査が進み、様々な健康効果が発表されていますね。
最近では、アイルランドの研究で、特に高齢者の認知機能維持やフレイル予防、そして腸内細菌叢に良いという発表がありました。
詳細を見てみましょう。

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地中海式ダイエットとは?

地中海式ダイエットは、『地中海料理』を進んで食べる食事療法のことです。
食材は「野菜」「果物」「ナッツ類」「豆類」「オリーブオイル」「魚介類」が豊富なことで知られており、「赤身肉」そしてバターや乳製品などの「飽和脂肪酸」が少ないことでも有名です。
こうした「食事の質」の高さから、世界中の医療機関で取り入れられるようになりました。

アイルランドのユニバーシティカレッジコークの研究報告によると、高齢者が地中海式ダイエットを1年続けると、健康的な加齢につながり腸内細菌を増やすことができるかもしれない、と発表しています。

高齢者が地中海式ダイエットを取り入れると?

今回の研究は、特に高齢者を対象に行われました。
研究では、65歳から79歳の約600名の高齢者を対象に、12ヶ月間の腸内細菌を解析しまています。
その間、対象者を2つのグループに分け、

  • 【A】約半数の人たちに地中海料理を
  • 【B】他の半数の人たちに通常の食事を

1年間、継続してもらいました。

その結果、【A】の地中海料理を食べていたグループは、フレイルの低下、認知機能の改善に「正の相関」が見られたのです!
また、身体を老化させることで知られる「C反応性たんぱく質」「インターロイキン-17」などを含む『炎症マーカー』に対しては、「負の相関」が見られました。
すなわち、老化の進み具合を遅くし、アンチエイジングになるということですね。

地中海式ダイエットは腸内細菌叢にも良い影響を?

さらに、地中海式ダイエットは、腸内細菌叢にも有益でした!
善玉菌と呼ばれる細菌叢の多様性を維持し、また「短鎖脂肪酸」を生産してくれる細菌が増えていたのです。
つまり、「腸活」にもいいということです。

こうした前向きな変化は、地中海料理に使われる食材から「食物繊維」「ビタミン」「ミネラル」の摂取が増加したためだと考えられています。

ただし、体重の減少やBMIの変化は見られなかったそうです。

表向きは、変わってないように思うかもしれませんが、身体の健康度や脳の状態は、確実に老化を遅らせ、特に高齢者の「健康寿命」を延ばすことになりそうですね。

地中海式ダイエットの盲点とは?

しかし、地中海料理は、こうしたメリットがあり理想的ではありますが、デメリットもあるとのこと。
地中海料理にはよく噛まなければいけない食材も多く、高齢者の場合、咀嚼嚥下(そしゃくえんげ)機能が落ちているため、思うように食べれない場合があるのです。

例えばサラダなどの生野菜やデザートの果物。
またパスタはデュラムセモリナ粉という小麦粉でできているため、一般の精製小麦粉と違って、よく噛まないと飲み込めません。
本格的なイタリアピザは、日本やアメリカで流通しているフワフワ生地のピザと違い、薄くてやや固めの生地で、野菜などが多めにトッピングされているので、高齢者には食べにくい代物です。
他に、ナッツ類や豆類も咀嚼機能が正常であるからこそ、美味しく食べられる食材です。

研究チームは、地中海料理は栄養バランスが素晴らしく、特に高齢者の健康促進に役立つ内容であることがわかったので、できる範囲で地中海料理を取り入れるのが、理想的な加齢に役立つと述べています。
※参考:『消化管』

さいごに

高齢になると誰しも食事をよく噛んで食べる「咀嚼機能」は落ちてくるものです。
しかし、高齢期に突入する前から、食事をよく噛んで食べる習慣を身に着けておけば、将来、残念な思いをすることを防げます。

またヒトのカラダは、鍛えれば機能を回復することができるとも考えられています。
歯を守るために、砂糖を避ける、歯磨きを怠らない、といった習慣も、高齢期に入ってからの食生活に役立ちます。

「今は若い」と思っていても、高齢期は誰しもが迎える未来。
その時に、素晴らしい食事療法がいかせるよう、若いうちからケアしておきたいですね。これも高齢者の寝たきりやアルツハイマーを防ぐ「予防医学」となるでしょう。