日本では年々、精神疾患の患者さんが増えていますね。
日本の精神医学の治療では、まだまだ薬での治療が主流ですが、欧米では食生活から根本原因の改善が行われています。
カナダの最新研究で、「不安症」の原因の1つに、野菜&果物の摂取不足と体脂肪の増加ということがわかってきました。詳細を見てみましょう。
野菜&果物の摂取量が低いと不安症になりやすい?
カナダのトロント大学の研究で、野菜&果物の摂取量が低く、体脂肪が高いと「不安症」になりやすいことがわかってきました。
研究では、『老化』に関する国民データ(移民・カナダ生まれ)を解析。
対象者は45~85歳の男女で、人数は約27,000名でした。
それをもとに、不安障害の有病率と、「社会経済的事情」「健康関連」「栄養状況」との関連を分析しました。
その結果、不安障害と診断されている人は、体脂肪率26%以上、そして野菜&果物の摂取量が3サービング以下ということがわかったのです。
他の不安障害になりやすい原因とは?
もちろん、この2つだけが原因ではありません。
不安障害になりやすい原因としては、他に、
- 若年齢
- 女性
- 独身
- 低収入
- 多疾患罹患状態
- 慢性的な疼痛
- 生涯喫煙歴
- BMI18.5より下(痩せ症)
- ペストリー消費者(欧米でよく食べられている菓子パンの1種)
などが、統計で出てきています。
性別や経済状況、家族構成なども響いているようですね。
不安障害の有病率は?
この研究の解析結果によると、不安障害の有病率は、総数で8.5%でした。
細かく分析すると、移民の人たちでは6.4%、カナダ生まれの人たちでは9.3%ということです。
この結果をふまえ、研究者たちは、
世界人口の統計でも約10%の人が不安症(不安障害)に苦しんでいると推定されています。
この結果をふまえ、今後の精神医療では、患者の社会経済的状況と、栄養状態を特に注意して観察し、不安症の予防に努めなければならない。
と述べています。
※参考:『国際環境研究公衆衛生雑誌』
さいごに
不安症などの精神疾患は「心の病気」と思われていますね。
しかし、生活に不安を感じさせるのは、脳に張り巡らされる「神経」から来るもの。その「神経」が作られる材料は、食事からの栄養成分です。
野菜や果物には神経を鎮めるポリフェノールやビタミン&ミネラルが豊富に含まれているのです。
日本でも、まだ少数派ですが、「心療内科に行く前に食事を変えなさい」と指摘する医師も出てきています。
書店に行けば、こうした書籍が見つかるので、薬漬けになってさらに薬の副作用でフラフラになる前に、毎日5サービング以上の野菜&果物を摂取してみてください。
野菜の摂取量が増えると、自ずと体脂肪率も落ちてくるでしょう。