脳の加齢と言えば、認知力が低下していく「認知症」や「アルツハイマー」が有名ですが、高齢期に急になるわけではありません。
脳は40代にはいると、ジワジワと加齢が始まっており、47歳以降からスピードを増すとも言われています!?
原因は様々ですが、その1つに糖質過多があげられています。
アメリカの最新「脳科学」研究を見てみましょう。
40代後半から脳の加齢は加速する?
糖質は控えすぎもよくありませんが、主食のごはん以外にスイーツやお酒をよく飲む人は、糖質過多なので40代後半から脳の加齢が加速する可能性が高くなるかもしれません。
アメリカのニューヨーク州立大学の研究によると、40代後半から脳の加齢に伴う「神経学的変化」が見られる、という報告です。
予防するには、単純に糖質の摂取を最小限にすることで、脳の加齢を予防・改善できるかもしれない、とのこと。
脳の加齢を防ぐには、若い頃の食生活も重要?
脳の加齢に関する、食生活の影響を調べるため、研究チームは加齢の影響が出始める前の予防が、最も効果的だと思われる時期を調査!
大規模なデータを用い、脳の各領域間の機能的追伸が加齢によって不安定化してくるのは、40代後半と、予想よりも早いことを突き止めました。
この時期に、早くも認知機能の低下とインスリン抵抗性が加速してくるそうです!
40代後半に差しかかる前から、食生活の改善はしておいた方が良さそうですね。
糖質過多が原因か?
次に、目的に絞り込んだ実験も行われました。
それによると、脳の加齢に関するバイオマーカーが、エネルギー源の摂取によって、異なる変化を示した、ということです。
特にグルコース過多の場合、脳のネットワーク機能は不安定になりました。
一方、グルコースの摂取が少なく、ケトン体が有意だと脳のネットワーク機能が安定していたということです。
実際に行った研究とは?
これらの研究は、18歳から88歳の約1,000名の脳のニューロンイメージが解析されています。
まず、50歳未満の42人を対象に、脳に及ぼすグルコースとケトン体の影響を直接観察。
対象者には、標準的な食事と、低糖質食(糖類やでんぷんを少なくした食事)で1週間ずつ過ごしてもらいました。
その後、脳のネットワーク機能の安定性が測定されました。
標準食でのエネルギー源はグルコース、低糖質食でのエネルギー源はケトン体ということになります。
この2つの食事の違いだけは十分ではないので、研究者たちは直接的にグルコースとケトン体を直接摂取してもらい、その影響を観察しました。
その結果は?
その結果、脳の加齢の影響は47歳ですでに現れており、60歳で最も急速な老化が観察されました。
しかし50未満でも、ケトン体有意な食生活の方が、脳のネットワーク機能がさらに安定化していた、ということもわかりました。
18歳以上の成長期を終えた成人は、糖質過多には注意が必要なようですね。
脳は思った以上に早く老化する!
研究者たちは、この結果をふまえ、
この調査により、脳は我々が考えていた以上に早期から老化が進んでいることが発見できた。
しかし、グルコースの摂取過多をやめ、ケトン体有意な食生活にすると、代謝低下を軽減して、脳の加齢の影響を防止したり、逆転できる可能性があることもわかった。
と述べています。
※参考:『国立科学アカデミー論文集』
さいごに
この研究では、糖質を食べたらいけない、と警告しているわけではありません。
日本人に置き換えると、主食のごはんで必要最小限のごはんを摂り、スイーツやお酒、甘い加糖飲料などからの、余分な糖質を控えれば良い、ということです。
余分な糖質を控えることで、既に老化が始まった脳も逆転できるかもしれないので、47歳を過ぎていたとしても、食生活次第で脳機能は活性化できるでしょう。
47歳以下の人も、若いから大丈夫?とあなどらず、余分な糖質はできる限り控えておきましょう。