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地産地消やフードマイレージは実現が難しい? フィンランド・食品研究

お題「#おうち時間

おうち時間が長くなり、自炊をするようになった人も増えてきましたね。
そんな中、食材の生産地チェックをしている方はどのぐらい、いらっしゃるでしょうか?
食材の「地産地消」「フードマイレージ」などと言われて久しくなります。
これらの取り組みは、なるべく自身が住んでいる場所から半径100km以内の食材をいただくことで、環境保全に役立つと言われています。
しかし、どこの国でも実現は難しいようです。
フィンランドの最新食品研究の詳細を見てみましょう。

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「地産地消」「フードマイレージ」の実現は世界で30%に満たない

半径100km以内から、自身の食品を調達できている人たちは、世界中で30%に満たないことがフィンランドのアールト大学などの共同研究でわかってきました。

近年、食糧生産もグローバル化しており、どこの国も輸出と輸入がさかんになりましたね。

しかし、輸出や輸入に頼った食生活を送っていると、パンデミックなどで世界的な危機が訪れた場合、やがて世界中の食糧サプライチェーンも止まってしまい、地元の食糧に頼らざるを得なくなります。

広い大陸にある国々は食糧危機に強い?

食糧の輸出や輸入がもしストップした場合、その危機は地域によって大きな違いが出てくるとのこと。
たとえば、欧州と北米では、小麦などの農産物は、半径500km以内でほとんど入手可能ですが、世界平均にすると半径3,800kmになります。

需要の高い「小麦粉」「大豆」「砂糖」など農産物の栽培、「各種肉類」など牧畜の飼育などは広い大陸にある国々が有利なようです。

農産物生産地と消費の間の最小距離はどのぐらい?

今回の研究では、世界中の人々における、農作物生産と消費の間の最小距離が計算されました。
わかりやすく言うと、人々が食糧需要を満たすために、ヒトがどのぐらいの距離を移動しなければいけないか? という計算です。

世界平均で、最も重要と言われれる6つの作物について検証されました。

  1. 「小麦」「大麦」「ライ麦」(温帯穀物)
  2. 「米」
  3. 「トウモロコシ」
  4. 「粟」「モロコシ」(熱帯穀物)
  5. 「キャッサバ」などの根菜類(熱帯根菜)
  6. 「大豆」などの豆類

これら6つについて、生産者と消費者の距離が算出されました。

その結果、【1】の麦類を半径100km以内で調達できる人々は、世界人口から割り出すと27%とのこと。

同様に、
【2】米類 28%
【3】トウモロコシ 11~16%
【4】熱帯穀物 22%
【5】熱帯根菜 11~16%
【6】豆類 27%

という結果になりました。

地元の生産物だけでは食生活は成り立たない?

このまま世界的なパンデミックが続き、輸出や輸入が不可能になると、今まで普通に買えていた多くの食品が入手困難になります。
この結果は、多くの人々が地元の生産物だけでは、食糧需要を満たすことができないことを明示しています。
現在のような食生活は、近い将来、間違いなく満たせない日が来るかもしれないのです。

研究者たちは、早い段階で、効率的に管理された国内生産品を増やすことで、食品の確保を推奨している。
また、これを機に、食品廃棄率と温暖化ガスの両方を削減させる機会にもなるだろう、と述べています。
※参考:『ネイチャー食品』

さいごに

今はまだ、食糧難にはなっておらず、「コロナ太り」という言葉があるほど、自宅での食生活は豊かです。
しかし、輸出と輸入がストップすると、日本で生産されている食糧を大切に食べていくことになります。
多少割高でも、国内製品を活用し、その分、安価なスナック菓子やインスタント食品の消費を減らす習慣も身に着けておいた方が良さそうですね。
近い将来、輸入の小麦や大豆、トウモロコシ粉を原料とする、大手食品メーカーが製造する「パン類」「麺類」「スナック菓子」などの類は、スーパーの棚から消えていくかもしれません。