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抗生物質服用時に高脂肪食を摂ると腸内が炎症する!?アメリカ・研究

風邪や鼻炎など、何らかの病気で抗生物質を服用している時は、全ての菌を抹殺するため、腸内の善玉菌までなくなってしまうと言われていますね。
ただでさえ、抗生物質の服用は腸内環境が悪くのに、食事で高脂肪食を摂取すると、さらに腸内の炎症がひどくなるようです。
アメリカの最新研究を見てみましょう。

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腸管の疾患は主に2つ!

腸管の疾患として代表的なのが「炎症性腸疾患」と「過敏性腸症候群」です。
「過敏性腸症候群」の方は、慢性の場合と、再発性の腸管炎症が特徴です。
主な症状としては、大腸の炎症や腫瘍など異常がみられないのに、便通異常を感じ、腹痛や腹部不快感が続く病気です。

炎症性腸疾患は抗生物質服用時の高脂肪食でリスク大?

研究では、健康な成人と、「過敏性腸症候群」の患者を対象に、腸の炎症度を調べるため、糞便検査を行いました。
「カルポロテクチン濃度」というものを測定したところ、「過敏性腸症候群」の患者のうち19名に「炎症性腸疾患」が見られたということです。

しかし、抗生物質服用時に高脂肪食を食べた場合は、健康な人であっても、「炎症性腸疾患」にかかるリスクが8.6倍にも跳ね上がったとのこと!

以前から、抗生物質を飲むと、腸内環境が悪くなると言われていましたが、高脂肪食も原因の一つだということがわかりましたね。

高脂肪食の摂取が多ければ多いほど、腸内環境が悪くなる?

また、脂質の摂取量が最も多い対象者は、最も少ない人たちと比べて、「炎症性腸疾患」のリスクが2.8倍高くなることもわかりました。
これは抗生物質の服用なしでも、ということです。

この結果をふまえ、研究者たちは、

高脂肪食を摂取している人たちにとっては、抗生物質の服用が最大の「炎症性腸疾患」の原因になっていることがわかった。
これまで、様々な環境リスクの要因が、どう作用して病気を促進しているのかがわからなかったからです。 

と述べています。

高脂肪食×抗生物質は腸壁の細胞にも影響?

さらに、マウスを用いた実験によると、「高脂肪食×抗生物質」の摂取は、腸壁の細胞にも影響を及ぼしていることがわかりました。
この2つが協同して、細胞のミトコンドリアの働きを妨害し、酸素を燃焼する能力を止めてしまっていたのです。
こういう状況になると、細胞の酸素消費量が減少し、腸内部への酸素漏出につながり、さらに腸内環境が悪くなるのだそうです。

善玉菌は大腸の酸素が欠乏している方が繁殖しやすい!

「酸素」は一般に、呼吸のイメージがあるので、たくさんある方が良いように思われますよね。
しかし、大腸内で善玉菌が増える時は、酸素欠乏状態でなければいけません。
なので、前述のように、大腸に酸素があると善玉菌が増えず、悪玉菌優位の状態になるので、腸内環境が悪くなって、「炎症性腸疾患」のリスクが高くなっていたのですね。

この研究で治療薬が特定?

しかし、幸運なことに、この研究結果より原因がわかったので、腸壁細胞のミトコンドリアの働きを再開させる薬剤が特定できたとのこと!
その薬剤とは『サミノサリチル酸』になるそうです。
すなわち、この薬剤で「炎症性腸疾患」も治療できるようです。

悪玉菌のエサを取り除くことが腸内環境の改善に!

研究者たちは、治療薬が特定できたのは良いことですが、悪玉菌のエサになるような高脂肪食(フライドポテトやドーナツなどの揚げもの)を、日頃の食生活で取り除くことが、一番の腸内改善になる、と述べています。
※参考:『細胞:宿主と病原菌』

さいごに

高脂肪食を食べることや、抗生物質が必要となるような病気になることは、身体にも負担がかかります。
この組み合わせは特に、避けることが重要と言えそうですね。