長引くコロナ禍で、デンマークの科学者たちが、世界中に肥満の問題が深刻化すると警鐘を鳴らしています。
コロナの影響で、人々の健康的な食事の機会が減っていたり、不安に感じる要因が増えているせいもあるようです。
詳細を見てみましょう。
コロナ禍で増える不安要素とは?
コペンハーゲン大学とオーフス大学の共同研究によると、新型コロナウイルスによる外出規制で、
・感情的ストレス
・経済的不安
・身体活動低下
・社会的距離
といった不安要素により、多くの人々の、肥満につながる心理社会的不安が増しているようです。
研究者たちは、期間が長引くと、コロナの感染者だけではなく、肥満者も蔓延していくと警鐘を鳴らしています。
これまでの統計で肥満者は、コロナに感染すると重症化しやすいとの懸念もあるので、肥満対策案は重要な課題です。
政治家や官僚はコロナ禍による肥満率上昇を理解していない?
研究者たちは、
「政治家や官僚といった人たちが、ロックダウンなどの外出規制で、ウイルスの蔓延を防ぐ対策を打ち出しているが、それと同時に、肥満者が増えるということは念頭に置いていない。
彼らは、肥満が慢性疾患だという意識も低く、有効な治療法がないことも関連している」
と懸念しています。
コロナの封じ込め戦略で加工食品の摂取が増加?
研究によると、各国で行われているコロナ封じ込め戦略は、第一に経済的資源が限られている人々は、高度に加工された高カロリー食品を食べる可能性が高いことがあげられます。
こうした食品は食欲を刺激する上に、安価で手に入るため、最終的に必要以上のカロリーを摂取してしまっている場合が多いとのこと。
ソーシャルディスタンスや外出規制は肥満に拍車をかける?
コロナ封じ込め戦略の問題点、第二は、ソーシャルディスタンス!
身体的距離の確保は、人々の社会的相互作用の能力に制限をかけるので、不安を増長させます。
こうした孤独と孤立の感情は、外出自粛と重なって、我々の食行動に影響してしまうのだそう。
昔から「つい口さみしくて食べてしまう」という食行動があるように、ソーシャルディスタンスや外出規制は、私たちを過食行動に導いてしまうようです。
さらに、外出規制で家に閉じこもっているので、身体活動量の低下と重なり、さらに肥満効果を高めてしまうようですね。
肥満の要因は失業率の増加にも?
研究者たちは、コロナ禍の精神衛生と経済状態が肥満リスクに関与しているかは、まだまだ厳密に理解されていないが、研究を進めるうちに、科学的に予想できることは明らかだ、と述べています。
これから失業者が増えていく可能性もあり、さらに貧困者が安価な加工食品を食べ続けてしまう事態が続くと、確実に肥満率の上昇につながるとも!
※参考:『ネイチャーレビュー内分泌学』
さいごに
今後、経済的に窮することがあったとしても、安くで購入できる生鮮食品もあります。
数百円の食べ物でも、日本では、おにぎりやフレッシュ野菜がサンドされたサンドイッチなども変えるので、いざという時に、支出を抑えつつ、健康的な食生活を送れるすべを学習しておきたいですね。