世界各国で、健康推進のため「野菜や果物を食べよう!」という呼びかけが行われていますが、なかなか実現していないのが現状のようです。
そこには、人々の健康意識だけではなく、経済事情や文化規範などの背景が浮かび上がってきました!?
アメリカの最新・調査報告を見てみましょう。
野菜を食べるのは容易ではない?
アメリカの『EATランセット委員会』やコロンビア国際熱帯農業センターなどの研究報告によると、野菜を食べ続けるのは、「容易ではない」という調査結果が浮かび上がってきました。
この詳細報告は世界的権威ある論文集『ネイチャー食品』にも論文が掲載されとのこと!
EATランセット委員会の報告では、全人類が健康的な食事をするために、より持続可能な食糧生産システムを確立することが先決だと報告されています。
その全容とは? 次の5つが挙げられています。
「経済」「政策」「文化規範」「公平」「ガバナンス」です。
1、野菜を食べ続ける経済力の問題
野菜などの生鮮食品を購入するには、財産を持つ富裕層には良いが、世界約16億人が、そのための経済的余裕がありません。
これを解消するためのコストは、現時点では不明とのこと。
貧困層には、健康的な食品を割引価格で提供したり、生産補助金を出すなどしなければ、健康的な食生活は送れないだろう。
との見解でした。
2、政策
「肥満」「栄養不良」は、貧しい食生活と貧しい健康の主要因です。
しかし、世界中の食品システムを健康的な食品の生産に向けるには、規制とインセンティブの複雑な組み合わせが必要となるだろう。ということです。
3、文化規範
貧困層が豊かになると、まず、肉の消費を増やす傾向があります。
また、貧困層の人たちは、野菜や果物、穀類といった健康的な食事を「貧困の象徴」として遠ざける傾向もあり、健康に逆行する現象が起きてしまいます。
そして、「脂肪」「糖類」「塩分」を含む食品がより低価格で販売されると、買いあさる傾向もあり、一層不健康になるようです。
4、公平
世界の肉の消費量を50%削減することが、基本的なダイエットの中核となっています。
しかし、一部の貧困層は、食糧難のため、人々はやせ細っており、多くの動物性タンパク質の摂取が必要とのこと。
特にこうした地域の貧困層の女性と幼児は、肉の摂取が必須となります。
5、ガバナンス
1~4のように、様々な変化をもたらす社会を作り上げるのは、容易ではありません。
政治の施策して対応するのが望ましいが、今日の自然災害やパンデミックの状況下では困難でしょう。
しかし、こうした世の中のレベルにおいて、政策決定者が、国民の健康的な食生活を資する知識とスキルを蓄積することが、最も重要です。
※参考;『ネイチャー食品』
という内容になっています。
さいごに
どこの国でも、一応国の機関が(日本では厚生労働省など)が健康的な食事について、公表していますが、絶対に順守すべき事柄としては挙げていません。
マスク着用と同じぐらい、国民が野菜や果物を安価に購入でき、絶対順守できる環境になれば、生活習慣病も減らせるかもしれませんね。