日に日に涼しくなってきて、秋本番を迎えましたね。
冬の到来ももうすぐ!
冬は寒さに耐えるため、ヒトの身体は自然と脂肪を溜め込むようになるので、太りやすくなります。
そんな「冬太り」対策に、ビタミンAを取り入れるといいようです!
ビタミンAの新たな働きについて、オーストリアの研究報告を見てみましょう。
ビタミンAは寒冷下での脂肪燃焼を促す!
オーストリアのウィーン大学の研究によると、気温が低くなると、ヒトとマウスは、体内のビタミンAレベルが上昇して、脂肪エネルギーを燃やすのに役立つことがわかってきました。
ヒトやマウスの脂肪組織には、白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞があります。
ビタミンAは、白色脂肪細胞を、エネルギーを燃やしてくれる褐色脂肪細胞に変換するのに役立っているというのです。
気温低下とビタミンAの関連とは?
研究チームは、ヒトとマウスが、程度な寒冷下に置かれると、ビタミンAの血中レベルと、ビタミンAを輸送するレチノール結合タンパク質の血中レベルが上昇するのを確認しました。
ビタミンAは肝臓に貯蔵されていて、寒冷下に置かれると、脂肪組織へのビタミンAの再分布を刺激することがわかったのです。
こうして、寒冷下によるビタミンAの上昇が起こると、白色脂肪細胞が褐色脂肪細胞へ変換されるのを促して、脂肪燃焼の割合が上昇したのです。
寒冷下でビタミンAが不足すると……!?
研究チームは、遺伝子操作によりマウスのレチノール結合タンパク質をブロックしました。
そうして、ビタミンAレベルを下げられたマウスを観察すると……!
マウスは、寒冷下でのビタミンAレベルは上昇することができず、白色細胞の褐色化も鈍化したことが観察されました。
すなわち、白色脂肪細胞(体内の余計な脂肪)が、燃えやすい褐色脂肪細胞に変換されないので、痩せにくい上に、寒さにも耐えられなくなる、ということです。
ビタミンAレベルが上がると脂肪が燃えやすい!
一方、ヒトの白色脂肪細胞にビタミンAを添加すると、代謝活性が起こり、エネルギー消費の増加を担う褐色脂肪細胞への変化が、有意に促されました!
すなわち、痩せやすいうえに、寒さにも耐えられるということです。
ビタミンAはサプリで摂ったとしても???
この結果をふまえ、研究者たちは、
ビタミンAが脂肪組織の機能に重要な役割を果たすことがわかりました。
特にエネルギー代謝に影響を及ぼすことです。
しかし、サプリメントでビタミンAを摂ったからといって、エネルギー代謝が進むものではありません。
重要なのは、ビタミンAを正しい時に、正しい場所に運ぶ「輸送タンパク質」の存在です。
と述べています。
※参考:『分子代謝』
さいごに
安易にビタミンAをサプリで! というわけにはいかないようですが、ビタミンAとタンパク質の両方が摂れる食生活を心掛けたいものですね。
例えば、ニンジンやカボチャ、ほうれん草などの緑黄色野菜と魚介類の組み合わせ、単独ではウナギ、レバーなどの食材です。
寒さに耐える体力を備えながら、太りにくい体質改善を心掛けたいですね。