イギリスの古典文学として名高いシェイクスピアは、誰もが知る存在ですよね。
知らないうちに、いくつかの作品に触れている方も多いことでしょう。
シェイクスピアの故郷であるイギリスでは患者さんの治療など、医療や心理カウンセリングの現場でも利用されています。
シェイクスピアは、私たちのメンタルヘルスにどう影響するのでしょうか?
イギリスの最新・医学研究の詳細を見てみましょう。
- シェイクスピアは患者とのコミュニケーション力を高める?
- 共感的アプローチとは?
- 感情は破壊的!なので制御する必要がある
- 「医師を患者から遠ざける」の真意とは?
- シェイクスピアは危機的な時代に生きていた
- さいごに
シェイクスピアは患者とのコミュニケーション力を高める?
エジンバラ大学の緩和医療科の研究によると、シェイクスピアの作品には「共感的アプローチ」があり、患者と医療従事者間のコミュニケーションを促進する効果があるそうです。
共感的アプローチとは?
「共感的アプローチ」とは、他者の感情を理解して、共有する能力を言います。
医療現場では、この「共感的アプローチ」が最も重要なので、研究チームはシェイクスピア作品の様々な理論やシーンを分析しました。
感情は破壊的!なので制御する必要がある
シェイクスピア作品の多くの物語には、一貫してあるテーマが隠されていると言います。
それは、
感情は破壊的である。なので制御する必要がある
というものです。
この考え方は、医学教育と実践に深く根付いており、それが医師を患者から遠ざけるのに貢献しているそうです。
「医師を患者から遠ざける」の真意とは?
「医師を患者から遠ざける」と書くと、コミュニケーションを避けているように感じますね。
しかし、多くの人たちは「医師」という職業の人たちに対して「恐れ多い」という感情が、自然に備わっていませんか?
病気に罹患した患者さんの多くは、感情が破壊的に向かいます。
それを制御するのが、医師の役目という意味で使われているのですね。
今回の新型コロナのパンデミックでも、医師が患者の「怖い」という破壊的な感情を制御してあげなくてはいけません。
シェイクスピアは危機的な時代に生きていた
シェイクスピアが生存していたのは、1564~1616年、すなわち16世紀後半から17世紀初頭です。
この時代にも疫病が流行り、貧困や身分格差など、今よりももっと危機的な時代であったと考えられています。
そうした時代に生きていたからこそ、『テンペスト』『お気に召すまま』『リア王』といった名作が生まれたのでしょう。
研究者たちは、
シェイクスピアの作品は、現代も意義を持っていることに注目すべきだ。
彼の思考は、未来を予測する能力があったように思える。
と述べています。
※参考:『王立医学協会雑誌 』
さいごに
シェイクスピアの作品は、戯曲で書かれているので、読みにくいと感じる人も多いことでしょう。
しかし、映画化された作品も多くありますし、新訳シリーズなど、読みやすい文献やコミックになっている作品もあるので、一読しておきたいですね。