ナイアシンアミドといえば、美容好きの方なら、化粧品の美肌成分としてご存知のことでしょう。
別名「ビタミンB3」とも言われ、アメリカでは古くから精神疾患の栄養補助サプリメントとしても利用されているビタミンです。
アメリカの最新研究では、加齢に打ち勝ち、筋肉の糖代謝を助け、肥満予防や糖尿病予防にも役立つことがわかってきました。
詳細を見てみましょう。
ナイアシンアミドは細胞のアンチエイジングに?
アメリカのワシントン大学セントルイスの研究により、冒頭のようなことがわかってきました。
先行研究では、マウス実験ではありますが、ナイアシンアミドは加齢を打ち消して、代謝的な健康を改善することが示唆されていました。
それを踏まえて、今回の研究では、ヒトに関する臨床関連を調査しました。
閉経後の糖尿病予備軍の女性の場合は?
研究では、閉経後の女性で、Ⅱ型糖尿病予備軍の人たち25名に対し、10週間にわたって、ナイアシンアミドのサプリを摂取してもらいました。
このうち、半数は、プラセボ群です。
(※プラセボ:本人は知らせずにナイアシンアミドではないサプリを飲んでもらうこと)
その結果、ナイアシンアミドは肥満や前糖尿病、Ⅱ型糖尿病患者に見られる、骨格筋への異変が改善されたとのこと!
肥満や糖尿病患者の筋肉異変とは?
肥満、前糖尿病、Ⅱ型糖尿病患者には、骨格筋へのグルコース取り込みを異常に増加させる異変がよく見られます。
しかし、ナイアシンアミドを摂取した対象者たちは、その現象が改善されていたとのこと!
また、筋肉構造とそのモデリングに関する遺伝子発現をも改善したそうです。
血糖値や血圧は下げれない?
マウス実験では、ナイアシンアミドを投与すると、血糖値や血圧が下がったり、血中脂質を改善したり、肝臓のインスリン感受性を高めたり、肝脂肪を減らしたり、といった現象が確認されました。
しかし、ヒトでは、このような現象はみられなかったそうです。
ナイアシンアミドはヒトの筋肉に良い影響を
この結果をふまえ、研究者たちは、
ナイアシンアミドは、骨格筋における有益な効果が確認できた。
マウス実験ほどの効果が見られなかったとはいえ、確実に糖尿病や肥満者の異変が改善されていたので、大きな発見にはつながりました。
と述べています。
※参考:『サイエンス』
さいごに
ナイアシンアミドのサプリメント単体は、日本では発売されてないので、マルチビタミンのサプリメントや、ビタミンB群のサプリから摂るといいでしょう。
ネット通販で、欧米の「ナイアシンアミド」サプリを取り寄せるのもいいですね。
食品ではラム肉、馬肉、かつお、鮭、海苔、エンドウ豆、小豆などに含まれます。