牛肉の摂取が多いと、多価不飽和脂肪酸の摂取過多で、様々な病気を引き起こすと言われていますね。
しかし、牛肉好きの人に朗報!
アメリカの最新研究によると、牛肉も食べ方次第で健康食になるのだとか!?
詳細を見てみましょう。
赤身の牛肉なら「心臓に優しい」?
赤身の哺乳類の食肉は、一般に心臓の健康に良くない、とされています。
しかし、アメリカのペンシルバニア州立大学の研究によると、赤身肉の中でも脂肪分の少ない、本当の「赤身部分」のみの適量摂取であれば、むしろLDLコレステロールなどを低下させ、「心臓に優しい」ことがわかってきました。
要は、牛肉の霜降り肉やカルビなど、脂肪分の多い食肉が悪いようですね。
赤身の哺乳類とは、牛肉をはじめ馬肉、羊肉などを指します。
牛肉の腰肉とモモ肉がオススメ!
研究者によると、野菜と果物、穀類や豆類などの植物食品を中心にした食事をベースとし、それに赤身の牛肉などを少し取り入れるのが、病気に罹患しにくい、理想的な食生活なのだそう。
牛肉の部位別にみると、「腰肉」「もも肉」のような部位は93%が赤身で、ヒトの栄養補給としても重要な栄養成分が揃っているそう!
地中海食に赤身肉を加える
この研究では、米国農務省の研究者たちも共同研究として加わっていますが、彼らによると、
「心臓の健康に役立つと言われている「地中海食」に、赤身の牛肉を少量含めることで、栄養バランスがかなり整うので、その重要性を強調しているところです。」
と述べています。
真の赤身肉と加工肉は別物!
牛肉などの哺乳類の食肉が「心臓に悪い」「健康に悪い」と言われているのは、脂肪の多いひき肉や加工肉のことです。
真の赤身肉は前述のように、脂肪分はかなり少ないのです。
加工肉もベースは豚肉や牛肉なので、「赤身肉」として分類されがちですが、全く別物です。
また、加工肉の場合、加工途中で塩分もかなり加えられるので、脂肪と塩分過多で血管を詰まらせる原因になるのは当然です。
真の赤身肉なら、脂肪分も塩分も少ないので、そういった懸念事項は該当しなくなります。
赤身肉の研究は、こうした加工肉の悪影響で、良さが伝わっていないのだそうです。
赤身肉だけを食べるのもタブー
だからといって、真の赤身肉ばかり食べるのもタブーです。
多くのアメリカ国民は、野菜や果物の摂取をないがしろにし、赤身肉ばかりを食べています。
そのお肉が加工肉ではなく、真の赤身肉であったとしても、野菜などのビタミンやミネラル、食物繊維の摂取が加わらなければ、赤身肉の栄養分も、体内でうまく発揮しないでしょう。
そのため、野菜や穀物を多く含む地中海食と赤身肉を一緒に摂るのが理想的なのです!
食事パターンの調査によると?
研究では、59名を対象に、4パターンの食事を摂ってもらい、経過を観察しました。
(1日当たり)
- 地中海食+牛肉(約14g)
- 地中海食+牛肉(約71g・アメリカ人の平均摂取量)
- 地中海食+牛肉(約156g)
- 典型的なアメリカ式食
その後、血液検査も行いました。
ちなみに、1~3の地中海食は、1日当たりの野菜摂取量は6皿以上、果物は3~6皿程度、脂質の供給源はオリーブオイルとされていました。
牛肉は、脂身が超少ない真の赤身肉が供給されています。
血液検査の結果は?
その結果、1と2のグループは地中海食と摂っている期間中はLDLコレステロールの値が低いことがわかりました。
しかし、3のグループは地中海食も食べていますが、やはり赤身肉であっても、摂取量が多いため、LDLコレステロールの値は、正常には及ばなかったとのことです。
※参考:『米国臨床栄養学雑誌』
さいごに
日本では、昔から「お肉を食べるなら倍の野菜を食べなさい」と言われています。
この説は、地中海食+適量の「真の赤身肉」摂取と同等の価値がある格言と言えますね。
お肉が好きな方は、霜降りやカルビ、ハンバーグなどを避け、真の赤身肉を選ぶようにしましょう。