栄養バランスの良い食事を摂るために、タンパク質と炭水化物の摂取比率は、重要ですね。
糖質オフの観点では、タンパク質を多めに、炭水化物を少なめに。
逆にアスリートなどが取り入れる「カーボハイドレード」は、タンパク質を減らして、炭水化物中心の食事です。
いずれにしても、どんな炭水化物を選択するかによって、健康度の違いが出てくるそうです。
オーストラリアの最新研究を見てみましょう。
タンパク質と炭水化物の組み合わせは種類によって異なる?
オーストラリアのシドニー大学の研究により、33種類の異なる比率で組み合わされた「タンパク質×炭水化物」の大規模実験が実施されました。
マウスを利用した動物実験の段階ではありますが、炭水化物の種類によって、健康度が違ってくる事実が判明しました。
結果は、低タンパク質(エネルギー比率10%)と高炭水化物(70%)の組み合わせが、最も健康度のプラスになるようです。
しかし、炭水化物に何を選ぶかによって、最も不健康な食事になる場合もあるとのこと。
難消化性デンプンの炭水化物が理想的?
研究によると、炭水化物の摂取を、主に「難消化性デンプン」で構成された食品から摂ると、腸内細菌の醗酵が進み、健康度が増す事実が分かりました。
この場合、タンパク質の摂取がわずかでも、健康度を害することはないようです。
果糖とブドウ糖で構成された炭水化物はNG?
しかし、同じ炭水化物でも、果糖(フルクトース)とブドウ糖(グルコース)の構成比が50:50の食品を選ぶと、低タンパク質にしていても、不健康度が増してしまうようです。
すなわち、砂糖が添加された食品や、パン、パスタ、菓子類といった小麦製品です。
グルコースしか含まない米類や、果糖のみで構成されているフルーツとタンパク質食品の組み合わせは、さほど買いにはなりません。
しかし、一度の食事でご飯とデザートに果物を摂取すると、果糖とグルコースの両方を摂ることになるので、NGです。
炭水化物は敵ではない?
食生活を改善したい人や、肥満を解消したい人にとって、炭水化物は大敵だと考えられています。
しかし、炭水化物は、その食品の構成を理解して取り入れると、不健康な栄養素ではないのです。
炭水化物では冷めたご飯やイモ類に含まれる「レジスタントスターチ」といった『難消化性デンプン』の摂取を中心にすると、結腸内の細菌が利用できるので、腸内環境が整い、健康度がUPすると考えられています。
しかし、砂糖や小麦製品、インスタント食品などは、高度に加工された炭水化物なので、健康を害してしまうのです。
炭水化物を抜く糖質オフは避けるべき?
炭水化物を完全に抜く、糖質オフは、一時的に体重を落とします。
糖尿病や肥満の治療食として、一定期間だけ取り入れるには適していますが、長期にわたって続ける食生活ではないようです。
食事制限で抜くべき炭水化物は、高度に加工された炭水化物(小麦製品)や砂糖、高果糖コーンシロップ(アイスコーヒーなどのガムシロップ)といった製品です。
多くの植物由来の炭水化物は、健康の害にはなりません。
その証拠に、そういった植物の名産地の人々は、長寿である場合が多いからです。
摂るべき炭水化物を知ろう!
研究者たちは、
研究の結果、ケーキ、ピザ、菓子といった食品に近づかないことが最善の健康食です。
玄米、オート麦、キノアといった全粒穀物、豆類、そしてイモ類やカボチャなどの野菜から摂れる炭水化物を選べば、炭水化物をガマンする必要はないのです。
と述べています。
※参考:『ネイチャー代謝』
さいごに
加工された菓子類やインスタント食品を避け、生鮮食品を取り入れた「タンパク質×炭水化物」の食事を続けると、肥満や糖尿病の予防になりそうですね。