私たち人間は、こと「美味しい物」の情報は敏感にキャッチし、脳の情報処理も速いのだそうです!
しかし、こと健康情報の処理となると……
脳は、味覚情報の処理に比べて遅すぎる反応を示すそうです!?
得てして「美味しい物は身体に悪く、健康に良い物は不味い……」と言いますが、どうやら、脳の処理能力の問題もあるのかもしれませんね。
アメリカの最新・研究の詳細を見てみましょう。
4時間の絶食後の味覚を調査
アメリカのデューク大学の研究により、冒頭のような事実がわかってきました。
研究では、平均24歳の若年成人79名を対象に、4時間の絶食後、スナック食品を食べてもらい、
- 美味しさ
- 健康度
- 欲求度
の3つを評価するよう、指示をだしました。
その後、2種の食品の組み合わせを提示して、どちらかを選択してもらい、その速さが記録されました。
私たちの脳は健康情報の処理が遅い?
実験の結果、参加者の意思決定プロセスは、早い段階で「味覚情報」を求める事実がわかってきました。
スナック菓子の美味しさを評価するのに、平均400ml秒しか要しなかったのに対し、健康度を判断するのには、その2倍の時間を必要としたのです。
事前に健康を強調するパンフレットを受け取ると……?
また、実験では、スナック菓子を食べる前に、健康的な食事を強調するパンフレットを配布して、その後の経過も観察されました。
こうしたパンフレットを事前に配った場合、不健康なスナック菓子を選ぶ可能性が低下したそうです。
また、選択時間をたっぷりと与えると、より健康的な食品を選ぶ可能性も高くなったそうです。
健康的な食生活は時間をかけて選択すべき?
多くの人が、人生において、家を購入したり、どんな大学へ進学するか? など、全ての決定を迅速に行っているわけではありません。
こうした「大きな選択」ほど、時間がかかるものです。
しかし、我々が日常生活で下す「決定」の多くは、スーパーマーケットでの食品の選択や、オンラインショッピングなどで、迅速な判断が求められます。
人々が健康的な食品の選択を、容易に行えるよう、環境を設定する必要があるかもしれません。
と研究者たちは述べています。
※参考:『ネイチャー人間行動』
さいごに
人間の行動とは、自分で予期せぬ、脳の「考えグセ」があるものなのですね。
確かに、健康的な食生活を送っている人は、過去の不健康食を見直したり、良い情報を選択したりと、時間をかけて、その食生活を吟味したことでしょう。
食生活は、日々の健康や、未来の疾患の有無を決定する重要な事柄です。
スーパーやコンビニでも、健康的な食品は手に入るので、おうち時間が増えた昨今、本当に自分に必要な食品を熟考したいものですね。