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スペルト小麦粉のスコーンと江戸川乱歩『地獄風景』『猟奇の果て』読書レビュー

おはようございます。
小麦粉なのに、ほぼグルテンフリーに近い《スペルト小麦粉》を使って、久しぶりにスコーンを作りました。
オレンジピールをきかせたものと、レーズン入りの2種です。
レシピをご紹介いたします。

スペルト小麦粉を使った2種のスコーンレシピ

【材料】6~8個分

  • スペルト小麦粉 250g
  • ベイキングパウダー 小さじ2
  • 重曹 小さじ1/2
  • 塩 ひとつまみ
  • バター 100g(常温に戻しておく)
  • きび砂糖 50g
  • 卵 1個
  • 豆乳 大さじ1強(牛乳または水でもOK)
  • ドライブドウ 30粒
  • オレンジピール(みじんぎり)15g程度
    [用意するもの]
  • 調理用の使い捨てナイロン手袋

【作り方】

  1. 豆乳以外の材料を、大きめのボウルに入れ、材料が手につかなくなるまで、よくこねる。
  2. 生地がバラバラするようなら、豆乳を少しずつ入れる。
    ※水分を入れすぎると、生地がベタベタになるので、ご注意!
  3. 生地がまとまったら、2等分にし、一方にレーズン、もう一方にオレンジピールを入れて、再度こね、それぞれを3~4等分にする。
    ※大きめのスコーンの場合は、3等分(計6個)、小さめのスコーンの場合は4等分(計8個)
  4. 予め180度に温めたオーブンで、10~15分焼いて、出来上がり!
    お好みで、クロテッドクリームやホイップクリーム、ジャムなどと一緒にお召し上がりください。

写真は、ブルベリージャムです。(分量外)

江戸川乱歩『地獄風景』読書レビュー

本日の読書レビューは、オーディブルの『江戸川乱歩全集 第一巻』より、『地獄風景』です。
大正時代のお話です。
当時のお金持ちの若い男女が、毎日優雅に、ある邸宅に集まって、昼間から乱痴気騒ぎを繰り返して、暮らしていました。
男性は大学生であったり、働かなくても召使付きの家に住んだり、女優の恋人がいたり、どこかのご令嬢と付き合ったりと、とても華やかでした。

彼らは、教養もあり、文学や演劇、芸術などにも詳しく、海外小説なども読んでいました。

当時の富裕層の間では、まだ日本では珍しかった、海外ミステリーの愛好家が多く、知的なゲームも楽しんでいました。

最初はゲーム感覚で、殺人ゲームや、失踪事件のマネごとをしていましたが、やがて、物足りなくなってきます。

最初に、ある青年の恋人の女優が殺害され、誰からの書生が亡くなり、本物の死者が一人、二人と増えていきます。

小説の世界の殺人は、真っ赤な血しぶきの描写も美しく感じられましたが、実際は地獄風景……。

彼らの行く末は?

さて、私が言える立場ではないのですが……
乱歩作品の中では、あまり印象に残らない作品でした。
大正時代の、金持ちのドラ息子たちの様子が、垣間見えて楽しめますが、伏線やフーダニット系の犯人捜しとは、少し系統が違いました。

乱歩先生の作品は、100作品以上あるので、全てが機知に富んだ作品とはいかないですよね。

江戸川乱歩『猟奇の果て』読書レビュー

こちらも、あるお金持ち夫妻が、ヒマとお金を持て余し、刺激を求めて、殺人ゲームから本物の殺人(?)を体験していく「猟奇の果て」の物語です。

さすがは乱歩先生! タイトルの付け方も上手いですよね。

名古屋に居を構えるA氏は、東京にも別宅を持っていました。愛人を囲っているわけではなく、東京でブラブラするためです。
東京では、S氏という三流科学雑誌の記者とよく会っていました。彼は貧しい出身でありながら、苦学して東大を出ており、一流出版社ではなく、あえて面白い記事をかける三流雑誌に就職したのです。

ある日、A氏は、夏祭りの神社で、S氏とそっくりな男を見かけます。後をつけると、寺の境内に、何かを隠して、その場を去りました。
A氏が、あとで境内の石碑に近づくと、そこには、空っぽの財布がいくつも捨ててありました。
S氏は、編集者という顔を持ちながら、陰でスリを働いていたのでしょうか?

さて、次の日、A氏は、S氏との約束場所に出向きます。
それとなく「夏祭りは好きか?」「神社仏閣は嫌いだったよね?」などと質問し、S氏の様子を探ります。
S氏の表情は、うそをついているとは思えないほど、驚いた様子でした。

A氏が名古屋に戻り、新聞を広げると、京都でのある一行の写真の片隅に、S氏の発見をしたり、名古屋のデパートのエレベーター内で見かけたりと、摩訶不思議なS氏の出没に驚きます。

やがて、A氏は、もっとおもしろいことはないか? と浅草に出かけると、覗き見ができる宿を発見し、様々な人間模様を観察しては、ヒマつぶしをするようになりました。

飽きかけたころに、ある殺害現場を目撃します。
宿屋のおかみに尋ねますが、人殺しがあった気配はありません。
多額のお金をはらって、該当の部屋を見せてもらいましたが、キレイでした。

A氏の錯覚だったのでしょうか?

しばらくすると、A氏は、S氏とそっくりな男に、また出会いました。
今後は思い切って、声をかけますが、人違いだと言われます。

A氏が浅草の講演で、ぼんやりと佇んでいると、ある美青年に声を掛けられます。
一万円を払えば、今の悩みを消し、なかったことにできる術があるというのです。

一旦は、断りますが、後日、その青年を探して、依頼することになるのです。

さて、A氏の猟奇的な快楽は、ますますエスカレートし、殺人を犯してみたいと思うまでになりました。
殺害現場の錯覚を見てから、いろいろ計画を練るようになったのです。

ある日、いつもは名古屋で留守番をしている細君が、一緒に東京へ行きたいと言い出します。

美しい細君ではありましたが、従順すぎて、A氏は妻に、退屈していました。

しかし、東京の別宅で一緒に過ごしましたが、A氏が出かけて戻ってくると、珍しく外出しています。婆やに聞いても行先はわかりません。
夜になると、ちゃんと戻ってくるのですが、来る日も来る日も外出するので、A氏は、妻を尾行することにしました。

すると、妻はS氏と会っていたのです。S氏とそっくりな別人かもしれません。

A氏は、殺人を犯したいけど、ターゲットが決まってなかったので、S氏とそっくりな人物にターゲットを絞ります。

お金持ちのA氏は、あるさびれたボロ家を借り、そこに妻をおびき寄せました。
覗き見がすっかり得意になっていたA氏は、S氏(またはS氏のそっくりさん)を確認すると、計画を実行します。
血しぶきを確認し、言い知れぬ絶望感を感じ、逃げ出します。

その時、浅草であった青年の姿を思い出し、一万円の小切手を渡しました。

A氏の犯した罪は、なかったことにできたのでしょうか???

ネタバレになるので、ここまでとしますが、ここまで奇想天外な本物に近い恐怖感を味わえるエンターテイメントがあれば、脱帽ものですね。

映像にするのは、難しい作品だと思いますが、乱歩先生の構成力に、ただただ感服する物語でした。

オーディブルで耳読するだけで、摩訶不思議な世界に浸れ、光栄でした!

本日の読書レビューの2作は、『江戸川乱歩全集 第一巻』に収録されています。

ありがとうございました!