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アガサ・クリスティー1924年短編『夢』『海上の悲劇』読書レビュー

おはようございます。
本日の読書レビューは、アガサ・クリスティーが1923~1924年に書き溜めた短編小説より、『夢』と『海上の悲劇』をお届けします。

『夢』読書レビュー

ポワロは、ベネディクト・ファーリーという実業家から、オフィスに来るよう、手紙をもらいました。
要件は、その時に話すとのこと。
ファーリー氏は、非常に質素で、お気に入りの上質のスーツや靴を、何年も大事に着用しているそうです。
食事にいたっては、来る日も来る日も、キャベツスープとキャビアだけだという……。
どこまで本当なのかは、わかりませんが、ポワロがファーリー氏について知っていたのは、それだけでした。

ファーリー氏が所有する工場に着くと、執事から、1人でファーリー氏のオフィスへ行くよう、案内がありました。
ポワロがオフィスへ入っていくと、ファーリー氏は、在室していました。
自分のデスクから、かなり離れた場所に、来客用の椅子を用意しており、そこに座るよう命じます。
そして、「本物のエルキュール・ポワロかどうか、証明してくれ」と言い出します。

ポワロが、持ち前の機転で説明すると、納得し、要件を話し出します。
ファーリー氏は、毎晩、同じ夢を見ると言い出します。
3人の医者に、夢の話をしましたが、3人とも、精神分析や心理分析の内容が違い、信用できないようです。
そこで、名探偵のポワロにも相談することにしたそうです。

ファーリー氏の夢の内容は、毎日同じ時間に、自分のデスクの引き出しに入れてあるピストルを持ち出し、自殺を図る、というもの。
ファーリー氏は、変わった性格の持ち主でしたが、野心に溢れており、親子ほど歳の離れた美人の後妻もあり、生命力があります。
とても、自殺するようには見えません。

ポワロは、推理はできますが、夢分析はできない、と丁重にお詫びして、退室しようとします。
しかし、ファーリー氏は、ポワロに出した手紙を、返して欲しいとのこと。
ポワロは、わざと、違う紙切れを渡しました。
ファーリー氏は、チラッと手紙を見ると、ポワロに退室を促しました。
どうやら、内容は見ていないようです……。
不審に思ったポワロは、「手紙を間違えて渡しました」と告げて、再度、ファーリー氏のデスクに近づきます。
ポワロは、ファーリー氏の、何をチェックしていたのでしょうか?

さて、翌日。
ポワロのもとに、ファーリー氏が自殺したニュースが飛び込みます。
ファーリー氏が話してくれた、夢と同じ状況の最期でした。

捜査に乗り出したポワロは、ファーリー氏のオフィスで、関係者と対面します。
ファーリー氏の前妻との娘、後妻、執事、男性秘書などです。
娘は、ファーリー氏の頭の良さを受け継いだのか、頭脳明晰の美女でした。
後妻は、娘より5歳ほど年上の、まだ30代前半の美女でした。なかなか狡猾そうです。

ポワロが調査を進めていくと、ファーリー氏は自身のオフィスで遺体となって発見されました。
しかし、ポワロが前夜、訪れた部屋の配置と、左右対称のようです……。
不審に思ったポワロは、秘書に部屋の状況を訪ねます。

すると、ファーリー氏は、とても慎重なたちで、初対面のお客様と会うときは、自身のオフィスではなく、秘書の部屋を使うとのこと。
ポワロが前夜、訪れたのは、この男性秘書の部屋だったのです。

ポワロは秘書に、視力はいいのか?
ファーリー氏の視力もいいのか?
などと、不可解な質問をあびせます。

ファーリー氏が亡くなって、得をするのは、実子の娘と後妻です。
しかし、娘は、一人娘であったので、わざわざ父を亡き者にする必要はありません。

では、後妻は?
後妻は、ポワロが眼を離すと、秘書と馴れ馴れしい話し方をするようです。
何か秘密があるのでしょうか?

しかし、ファーリー氏の遺体からは、他殺は不可能です。
自殺説が強いのです。

ポワロは、どんな決断をくだすのでしょうか?
他殺なら、考えられる殺害方法は、あるのでしょうか?

摩訶不思議な発想ですが、実際に実現できそうなトリックなので、結末はビックリでした!

収録本

ポワロ登場! 4

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『海上の悲劇』読書レビュー

ポワロは休暇をとって、豪華客船の船旅に出ました。
豪華客船といっても、大型のものではなく、船室20ほどの小規模な客船です。

乗船客は、富裕層ばかりで、悪名高いクラッパートン夫人も、夫を連れて乗船していました。
両家の子女2人が、女友達同士で乗り込んでいたり、孫を連れた老夫婦、単身の元大尉の初老紳士、中年女性の孤独旅などなど、ユニークな人たちが乗り合わせていました。

クラッパートン夫人は、今でこそ、でっぷりとした60代の女性ですが、昔はなかなかの美人で、今の夫は3人目だそうです。
クラッパートン夫人は、2番目の旦那さんの遺産で、大変なお金持ちです。
今回、一緒に乗船している3番目の夫は、ある劇場の興行師で、夫人に見初められ(?)、夫人のコネで大佐の称号も獲得できたようです。

クラッパートン大佐は、夫人のご機嫌をとるのに忙しく、女王に仕える執事のようでした。

元大尉の初老紳士は、あいにく、若いころ、クラッパートン夫人に、こっぴどく振られた経験があり、なんともバツが悪そうです。

孤独な中年女性も、何やらクラッパートン夫人に恨みを持っていそうでした。

数日が過ぎると、船は、インドのある街に停泊することになりました。
乗客は、下船して、街を散策することができます。

若い娘二人は、クラッパートン大佐を、船から連れ出そうと、いろいろ策を練り、楽しそうです。
クラッパートン大佐は、妻に下船して街を散策しないか? と部屋のドア越しに尋ねましたが、「行きたくない」との返事。
大佐がドアを開けようとしましたが、鍵がかかっており、中へ入れてくれません。

こうして、午前中、乗船客は、思い思いに、自由行動を楽しみ、ランチタイムとなりました。
ランチを船で摂る乗船客は、船に戻ってきます。
しかし、食い意地がはっているクラッパートン夫人は、ランチタイムにも顔を出しません。

不審に思った、船員が部屋をノックしますが、応答がありません。
そこへクラッパートン大佐が戻ってきますが、部屋の鍵は、室内の中で、持っていません。

船長が、船室の合鍵で開けたところ、夫人は遺体となっていました。
密室殺人です。

ポワロがここでも大活躍!
船の中には、インドの物売りたちが、船内に入ることを許されていたので、通行人の仕業でしょうか?

夫人の部屋からは、お金は無くなっていません。
宝石がいくつか無くなっていましたが、中途半端です。

ポワロは部屋の捜査の中で、ある紙切れを発見しました。
心臓の薬の処方箋です。
夫人は元気そうでしたが……。
毒舌で、意気揚々としていましたが、病気を苦に自殺したのでしょうか?

夫のクラッパートン大佐は、元、興行師。
何か、関係しているのでしょうか?

ひとりごと

小説の伏線に、小道具として処方箋が使われていたところが、ナイス! と個人的に思いました。
アガサは元薬剤師だったので、こういう発想が出たのでしょうね。
女性ならではの、細かな伏線が楽しい、短編小説でした。

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