おはようございます。
本日の読書レビューは、アガサ・クリスティーが1926年に発表した『アクロイド殺し』です。
アガサの6作目の長編小説なので、初期のころの作品ですね。
小説家は、5作以上書けると、大成すると言われていますが、アガサもこの作品で、名を上げたと言われています。
- 引退したはずのポワロが活躍
- シェパード医師とその姉
- アクロイド家の主治医
- 放蕩息子のロジャー
- 義父の財産を狙ったロジャーが犯人か?
- 殺人の当日、シェパード医師も屋敷に
- ポワロ、アクロイド家の敷地内で指輪を発見
- 謎の深夜の電話
- 真相はいかに?
- \新刊のご案内/『なぜ人は食べすぎるのか?』
引退したはずのポワロが活躍
世界的に有名なポワロは、老体のため、とある小さな村に移り住み、隠居生活を送っていました。
カボチャ作りに精を出していましたが、ポワロの理想通りのカボチャは収穫できません……。
カボチャに腹を立てたポワロは、誤って、隣の庭に、カボチャを放り込んでしまいました。
すると、隣の医院からシェパード医師が、庭先に出てきます。
ポワロは丁重にお詫びし、お茶に招待します。
シェパード医師とその姉
シェパード医師は、中年の男性で、ウワサ好きの姉と一緒に暮らしています。
独身の姉は、性格は良いのですが、街中のウワサ話を聞きつけては、シェパード医師に報告してくれます。
家が医院なので、待合室での患者たちの話や、誰がどんな病気に罹っているのかも熟知しています。
ある種の才能の持ち主です。
アクロイド家の主治医
シェパード医師は、アクロイド家の主治医でもあり、時々、往診に行っていました。
アクロイド氏は、特に病気というわけではなく、地元の名士なので、医師であるシェパート医師とディナーをともにして、半分、友人のような感じでした。
アクロイド氏は、若いころ、年上の美しい子持ち女性と恋に落ち、結婚しましたが、幼い息子を残して、妻は病気で亡くなってしまいました。
アクロイド氏は、ロジャーという義息子を、我が子のように大切に育てました。
放蕩息子のロジャー
ロジャーは、金持ちのドラ息子特有の、怠け癖があり、ロンドンに出ては、儲け話に引っかかり、アクロイド氏にお金を都合してもらっています。
度重なるので、ついに、アクロイド氏の堪忍袋の緒が切れ、勘当同然の状態でした……。
しかし、アクロイド氏は、莫大な財産をロジャーに残すつもりでいますが、将来を心配し、幼馴染の女性と婚約するよう、仕向けます。
そんな折、アクロイド氏が、書斎で、何者かに首を刺されて殺されてしまいました。
義父の財産を狙ったロジャーが犯人か?
ここで一番疑わしいのが、義父の財産をあてにしているロジャーです。
しかし、ロジャーは、屋敷にはいませんでした。
ですが、使用人たちが、ロジャーに似た男を見たと言っています。
殺人の当日、シェパード医師も屋敷に
アクロイド氏が殺された当日、シェパード医師も、ディナーに呼ばれていました。
ディナーの席で、アクロイド氏は、最近亡くなった、旧家の未亡人からの手紙の話をしていました。
未亡人は、アクロイド家に次ぐ、この街の旧家でしたが、主人は亡くなっていました。
未亡人は、遺産管理などでアクロイド氏に相談しており、街の人々は、中年男女の恋のロマンスだとウワサしあっていました。
事実、アクロイド氏は、この未亡人の急死に、心を痛めていました。
未亡人は、無くなる前、ある男からゆすりを受けており、その男に主人の財産を知らぬ間に奪われたともこぼしていました。
心労で未亡人は亡くなったのでしょうか?
そして、恋仲だとウワサされたアクロイド氏が殺されます。
何か因縁があるようです。
ポワロ、アクロイド家の敷地内で指輪を発見
ポワロは、調査のため、アクロイド家に訪れ、そこで暮らす人々に話を聞いて回ります。
アクロイド氏には、放蕩息子のロジャーの他に、遠縁の母娘も屋敷に住まわせていました。
他に若いメイドが一人、なかなかの美人です。
庭師や初老の女中などもいました。
さて、ポワロが、敷地内の池を歩いていると、ピカピカと光るものを見つけます。
ポワロが拾い上げると、指輪でした。指輪の裏にはイニシャルが入っており、結婚指輪のようです……
まだ新しいので、新婚といえそうです。
この家に、最近、結婚した者はいません。
アクロイド氏と旧家の未亡人のウワサもありましたが、イニシャルが該当しません……
謎の深夜の電話
ポワロがシェパード医師の話を聞くと、殺された晩、シェパード医師はディナーに呼ばれた後、帰宅したそうです。
その後、21時半ごろ、電話がかかってきて、アクロイド氏が殺された、とのこと。
アクロイド氏が、慌てて屋敷を訪れると、執事も女中も、何も知りません。
シェパード氏は、いたずら電話だと安心しましたが、念のため、アクロイド氏の安全を確認しようと思ったところ、書斎で遺体となったアクロイド氏を発見したのです。
シェパード医師のところに、電話をしてきたのは、誰だったのでしょうか?
ますます、義息子のロジャーが怪しいと思われますが……
真相はいかに?
これ以上書くと、『アクロイド殺し』を読む、最大の楽しみが奪われてしまうので、気になる方は、本編をお読みください!
ここまでの時点ではロジャーが大変怪しいのですが、どこに隠れていたのでしょうか?
アクロイド家の美しすぎる女中は誰なのか?
遠縁の母娘は、どのような位置づけだったのか?
ポワロが拾った指輪のナゾは?
ポワロの補佐となって、事件の解決に奔走するシェパード医師は、何か目的があるのか?
さまざまな伏線が、最後につながる創意工夫は圧巻です!
100年近く前の作品なのに、古臭さを感じさせないストーリー展開を、ぜひお楽しみください。
ありがとうございました。
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