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2022年江戸川乱歩賞受賞作 荒木あかね『此の世の果ての殺人』

おはようございます。
本日の読書レビューは、今年(2022年)の江戸川乱歩賞受賞作『此の世の果ての殺人』です。
荒木あかねさんは、江戸川乱歩賞史上、最年少!
23歳で受賞された傑作。
今年の乱歩賞の最終選考は、審査員の意見が分かれることなく、満場一致だったそうです。
早速、Kindle版を購入しました。

地球に小惑星が接近

この物語は、あと半年ほどで、地球に小惑星「テロス」が接近し、確実に日本は消滅する、という設定です。
主人公は、小春という23歳の新社会人。
大卒で就職したものの、小惑星の接近で、世の中のパニックになり、どこの企業も閉鎖していました。
スーパーやデパートも、もぬけの殻。
余った在庫は、逃げられない人たちが取り放題でした。

地球が終わるのに免許を取りに行く小春

人々が、自殺したり、テロスの影響がない、南米やヨーロッパに避難する中、小春は、母が出奔、父は自殺してしまい、引きこもりの弟と二人、家に残されました。
小春には、地球滅亡までに小さな夢があり、そのため、車の運転免許が必要でした。
大学時代に通いはじめたものの、まだ免許が取れていなかったのです。
教習所に行くと、女性教官一人が出勤しており、マンツーマンで手ほどきを受けることに。
山道研修で向かった、福岡県のある小さな山は、地球滅亡に向けて、自殺の名所となっており、死体がゴロゴロと転がっていました。

教習車のトランクから女性の遺体が発見

小春が、教習所通いを再開して2日目。
「出しやすいから」という理由で、一番端の教習車を小春が選び、荷物をトランクに入れようと開けたところ……
なんと、若い女性の遺体が入っていました。
歳は20代後半。女性教官は、手際よく、遺体を調べました。
身元がわかるものは、残っていません。
しかし、パンツスーツを着用し、指にはペンだこ、革製のバッグの中からはノートが発見され、几帳面なようです。
女性教官は、被害者は弁護士の可能性が高いと言い出します……

福岡県警に行くと……

小惑星のパニックで、警察機関も機能していませんが、小春と女性教官は福岡県警に行くことにしました。
すると、シワひとつない、プレスのきいたスーツを着込んだ、30代前半の男性刑事が出てきました。
男性刑事は、女性教官を見ると、「先輩!」と言い出します。
どうやら、小春の女性教官は、元刑事だったようです。
男性刑事は、面倒なので、遺体を見なかったことにしませんか?
と持ち掛けてきます。
確かに、自殺者の遺体であふれている街で、殺人が起きても、誰も罪に問うものはいないでしょう。
しかし、正義感の強い女性教官は、犯人を突き止めると言って、譲りません。
去り際に、男性刑事は、実は、2件の男子高校生の殺害事件もあり、女性の遺体と、似たような殺害方法だったと、教えてくれました。

小春と女性教官が犯人捜し!

仕事もやることもない小春は、女性教官について、犯人捜しを手伝うことになりました。
車が必要なので、異動がてら、車の運転方法も学べるというメリット(?)つきです。
女性弁護士と、2人の男子高校生の犯人は、同じ犯人だと思えます。

小春の弟が失踪

さて、自宅に戻った小春は、引きこもりの弟が気になります。
物音がするので、いることはわかっていましたが、男子高校生二人の殺害事件があったので、次は弟なのでは……?
と不吉な予感がしたのです。
弟の部屋を開けてみると、見知らぬ少女がいました。
少女は、小春の弟に助けられ、コンビニ裏にある家に行けば、食料もいっぱいあると教えてくれ、家の鍵もくれたとのこと。
弟は、もう帰宅するつもりはなく、父と同様、自殺するのでしょうか?

事件は小春と関与していた?

小春が女性警官と、事件の真相にせまっていくうち、小春の弟も関与していそうな気配が……。
小春は、弟を庇おうとしますが、元刑事の女性教官にはお見通しです。
小春の弟が、連続殺人の犯人だったのでしょうか?
三人の被害者の関連は?
男子高校生2人は、いずれも、裕福な家庭だったらしく、2人とも、県内の有名私立高校に通っていました。
被害者少年二人の家族は、まだ生き残っているのか?

そして、小春の小さな夢とは、一体なんだったのでしょうか?

さいごに

「もしも地球が滅亡するなら」という設定の小説は、いくつか読んだことがありますが、似たような設定を選びながら、新たな本格ミステリーの要素を取り込んだ傑作でした!
審査員、満場一致での受賞はうなずけます!
荒木あかねさんは、まだ23歳!
20代にして、大物ミステリー作家としての貫禄も十分ですね。
次回作も期待したいです。

摩訶不思議なエンターテイメントの世界を、ありがとうございました!

 

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