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エラリー・クイーン1933年『シャム双生児の謎』読書レビュー

おはようございます。
本日の読書レビューは、エラリー・クイーンの代表作の一つ『シャム双生児の謎』です。
1933年に発表された作品なので、ミステリー小説の古典とも呼ばれていますね。

旅行中のクイーン警視父子が山火事に

ワシントンで活躍しているクイーン警視は、休暇中に息子のエラリーと一緒に、自動車で旅行をしていました。
アメリカ北部の山中で、山火事に遭遇し、山頂にあるお屋敷に避難しました。
そこには、外科医のザヴィヤー博士とその家族が住んでいました。
クイーン父子は、一晩お世話になることになりましたが、その晩、クイーン警視は、屋内で巨大な蟹のような生き物を目撃します。
幻覚だったのか? 旅の疲れか? そのまま眠りにつきました。

翌朝、主の銃殺遺体が見つかる

あくる朝、屋敷の主であるザヴィヤー博士が、何者かに銃殺されて遺体で発見されます。
破られたトランプを握っており、スペードの6でした。
クイーン警視は、本領を発揮し、屋敷に住む者を集めて、捜査を開始!
博士が握っていたトランプは、ダイイング・メッセージで、サヴィヤー夫人が犯人であることを物語っていました。
そして、クイーン警視が昨晩見た、巨大な蟹のような影は、博士のところに診察に来ていたシャム双生児の兄弟であることもわかりました。

シャム双生児とは?

シャム双生児とは、双子なのですが、胎内にいたころ、背中がくっついた状態で成長して、そのまま誕生してしまった結合双生児のこと。一種の奇形になるそうです。
サヴィヤー家にいた双子は、ジュリアンとフランシスという名の少年たち。
母親はマリー・カロー夫人で、大変な美人です。
ジュリアンとフランシスも、母親に似た美少年で利発そうでした。
カロ―夫人は、社交界の花形でしたが、異形の息子たちを人目から避けるために、サヴィヤー家に出入りしていたのです。

指輪が次々と無くなる

サヴィヤー夫人をはじめ、カロ―夫人やクイーン警視がはめていた結婚指輪が、次々と盗まれます。
指輪に何か鍵があるのでしょうか?
単なる盗癖のある者のしわざでしょうか?

屋敷にいた人物

さて、博士が銃殺された日に、屋敷にいたのは、クイーン警視父子の他に、カロ―夫人と双子の息子たち、博士の弟のマーク、博士の妻サヴィヤー夫人、そして博士の助手のホームズ医師でした。
他に、山火事で避難していたフランクというよそ者もいました。
博士は、シャム双生児や奇形児の研究をしており、屋敷には研究室もあります。
そして、屋敷の土地家屋だけでなく、相当な資産家でもあったそうです。

殺人の動機は遺産目当て?嫉妬?盗癖?

クイーン警視が捜査を進めていくと、サヴィヤー夫人を指すヒントはありましたが、それほど単純なわけがありません。
クイーン警視は、博士の弟のマークがサヴィヤー夫人に濡れ衣を着せていると直感!
しかしクイーン警視の息子、エラリーは、双子の少年に罪を着せようとしている何者かがいると指摘。
父子で意見が分かれますが、この中に犯人がいるのは、明らかです。
双子の美しい母、カロ―夫人が、博士の愛人だったのでしょうか?
サヴィヤー夫人は、患者の保護者とはいえ、美しいカロ―夫人が博士と話し込んでいる様子に嫉妬したのかもしれません。

さいごに

捜査をしているうちに、山火事の火は屋敷のほうにも迫ってきていました。
迫りくる山火事から、どうやって逃げるのか?
山火事問題とともに、博士殺人の真相に迫るラストは、ドキドキの連続です!
犯人は誰だったのか?
タイトル通り、美少年であるシャム双生児の仕業なのか?
遺産目当ての博士の妻・弟・助手なのか?
なぞのよそ者が、盗難目当てに屋敷に入っていたのか?
クイーン警視父子が事件を解決すると、山火事が迫っていました。
しかし、クイーン警視が屋敷のドアを開けながら叫んだ一言は「奇跡が起きた!」でした。
ミステリーでありながら、ヒューマンドラマもあり、迫力ある作品でした!
現代の多くのミステリー作家の方々がお手本にしたというエラリー・クイーン!
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まだの方はぜひ!

 

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