魚油に含まれるDHAは、EPAと共に、記憶力や集中力UPなど脳細胞の活性化や、中性脂肪の燃焼などダイエット作用でも広く知られていますね。
先月(2017年11月)発表されたアメリカのテキサス大学の研究発表によると、DHAを摂取すると、体内で主に骨を作る細胞に変換されていることがわかりました!
日本でも女性の骨粗しょう症や、五十肩、腰痛など骨にまつわる病気が深刻化しているので、DHAはこれらの一助になるでしょう。
食事で摂取する脂肪は細胞膜に!DHAは?
人間が食事から摂取する脂肪酸は、食品の種類によって様々です。
どんな種類の脂肪酸でも、主に体内の細胞膜を造ります。正しくは「脂肪蓄積細胞」といいます。
しかし、テキサス大学の研究グループは、魚油の中でもDHAは、他の脂肪酸のような「脂肪蓄積細胞」ではなく、「骨形成細胞」に変換されていることを発見しました。
この発見で、魚油(主にDHA)が骨粗しょう症など、骨にまつわる疾患の予防や改善に効果的であるということの立証になると考えられています。
またこの事実をベースに、健康的に年を重ねる「健康寿命」や心臓病など、食事から摂取した脂肪酸と多くの関連性の発見や臨床につながることも予測されています。
※参考:『サイエンスアドバンス』
骨の健康に魚は必須!
以前から骨の健康に欠かせない食材として、魚介類は挙がっていましたが、それは主にカルシウムや亜鉛摂取の目的でした。
しかし前述の発見により、魚から摂取できるDHAも骨細胞を造る上で大切なことがわかったので、大いにお鍋などで魚を食べておきたいですね。
人間の骨量は二十歳をピークに、その後、減少していきます。
骨はカルシウムの貯蔵庫となっていますが、血中のカルシウム濃度が減ると、骨に貯蔵されたカルシウムを使うので、加齢と共に骨はカスカスになりやすくなっていくのです。
骨も他の部位のように骨を造る細胞が存在しますが、DHAが骨細胞に変換されているとは嬉しい発見ですよね。
今まで、記憶力UPやダイエットの目的でDHAのサプリメントを取り入れていたり、進んで魚介類を食べていた方は、知らずに骨の健康維持に努めていたことになりますね。
サプリメントだとDHAのみの摂取となりますが、魚介類そのものを食べておくと、カルシウム、DHA、他の亜鉛やタンパク質などの栄養成分も一緒に摂れて、一石二鳥以上の相乗効果が期待できるでしょう。
年末年始は魚介類中心のご馳走を!
クリスマスにはチキンの丸焼きやローストビーフなどのお肉のご馳走が並びますが、前菜には魚介類のカルパッチョ、そしてメインにも鯛1匹をアクアパッツァにするなど、工夫をして取り入れましょう。
- クリスマスディナーに
- マグロやサーモンのカルパッチョ
- タイやニシンの姿焼き(あさりや緑黄色野菜と共にアクアパッツァに)
- シーフードのキッシュやピザ
- シーフードのクリームシチュー
- 忘年会に
- 海鮮鍋
- お造りの盛り合わせ
- お節料理に
- 鯛の塩焼き
- ブリの照り焼き
- かまぼこやちくわ
日本人は、元々、魚を食べて生活していた民族なので、ご先祖様もきっと骨は丈夫であったでしょう。
骨粗しょう症や五十肩、腰痛など、骨にまつわる病気が増えたのは、ここ数十年です。
お年寄りに多いイメージがありますが、今は若年層の骨粗しょう症や四十肩も増えているので、骨の健康維持は意識して魚摂取で実現しましょう。
また骨の健康は、成長期のお子さまにとっても大切です。
「子どもの魚離れ」にならないよう、ご両親がちゃんと食事を管理して、将来、骨やカルシウムで悩む生活習慣から守ってあげましょう。