野菜&果物の美養栄養学

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脳内環境を良くする質の良い食事とは?蘭・最新研究

高齢者の間で問題となっている「認知症」は脳の容積が減ったり、記憶や認知機能を司る「海馬」の領域が狭くなることも原因の1つですね。
しかし、食事の質が悪いと、認知症の発症が早くなる場合もあるようです。
また若年層でも、日頃の食事の影響で記憶力や集中力の低下が起こるかもしれません。
脳内環境を良くする「質の良い食事」とはどういったものでしょうか?

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脳内環境を良くする食品群とは?

オランダのエラスムス大学、医療センターが発表した論文によると、「脳の容積を増やす」と想定される食品群は、野菜、果物、ナッツ類、魚介類などで、こうした食品をバランスよく食べている人ほど、早期高齢者において、認知症のリスクがかなり低いことがわかってきました。

研究では、調査のスタート時点で認知症リスクのないオランダ人約4,200人の男女(平均年齢66歳)を対象に、過去1ヶ月間のアンケート形式の食事調査を行いました。
解答用紙には400近い食品の記載があり、オランダの食事ガイドラインに基づいて、「食事の質」の統計をとりました。

また調査基準として、食品は、以下の14の食品群に分けられました。
野菜類、果物類、全粒粉穀類、種実類、ナッツ類、魚類、貝類、乳製品、茶類、肉類、植物性油脂類、加糖飲料、アルコール、塩

この調査に参加した対象者は、その後、脳のMRIスキャンを受けて、食事内容と脳の容積の関連も調べられました。

その結果、加糖飲料の摂取が少なく、その上で、野菜、果物、全粒粉、ナッツ、乳製品、魚類の摂取が多かった人たちにおいて、脳容積が大きかったそうです。
そして、脳容積だけではなく、認知能力を高め記憶を司る脳内の「海馬」という領域の容積も大きいという傾向もあったそうです。
※参考:『神経学』2018年5月

1つの食品群だけではなくバランスも大事

 脳容積を大きくするには、1つの食品群だけに偏るのではなく、砂糖の摂取を控えた上で、野菜、果物、全粒粉、ナッツ、乳製品、魚類などの食品群からバランスよく食べることが、「質の良い食事」につながるようですね。

この研究でも、一般に「カラダにいい」と言われている食品群があがっていますし、「カラダに悪い」と言われがちな加糖飲料はやはり脳内環境にも悪いことがわかりますね。
この研究では肉類については触れられていませんが、脳内環境を良くするには、肉類よりも魚の摂取を多くしたほうがいい、と考えられるでしょう。

脳内環境を良くする!? 食材リスト

私たちの脳容量を大きくし、認知機能を向上させてくれる「質の良い食事」として挙げられた野菜、果物、全粒粉、ナッツ、乳製品、魚類の食品群、食材リストを明記してみました。

  • 野菜類
    • 緑黄色野菜:ほうれん草、小松菜、にんじん、かぼちゃ、パプリカ、ピーマン、トマト、モロヘイヤ、オクラなど
    • 淡色野菜:なす、きゅうり、キャベツ、玉ねぎ、レタスなど
    • 香味野菜:ネギ、大葉、生姜、にんにく、クレソン、バジルなど
    • 根菜類:大根、にんじん、れんこん、じゃがいも、さつまいも、里芋など
  • 果物
    • 柑橘類:オレンジ、グレープフルーツ、みかん、夏みかん、はっさく、レモン、ライムなど
    • 色の濃いβ-カロテンが豊富な果物:マンゴー、パパイヤ、枇杷、柿など
    • ベリー類:いちご、ブルーベリー、アサイー、ラズベリー、クコの実など
    • その他:りんご、桃、梨、バナナなど
  • 全粒粉穀類
    玄米、全粒粉小麦粉、大麦、赤米、黒米、きび、あわ、ひえなど
  • ナッツ類
    アーモンド、カシューナッツ、ピーナッツ、ゴマ、くるみ、アカデミアナッツ、ピーカンナッツ、ピスタチオなど
  • 乳製品
    牛乳、ヨーグルト、チーズなど
  • 魚類
    • 青背魚:サンマ、いわし、あじ、あゆ、さばなど
    • 赤身魚:まぐろ、かつおなど
    • 白身魚:さけ、たい、はも、金目鯛、さわら、たら、にしんなど

さいごに

日本人は元々、肉類の摂取は少なく、穀類や野菜、魚を食べて暮らしていたので、欧米食を控えて、和食中心にすれば、脳容積が大きくなりそうですね。

脳の容積が大きいと、高齢者の方に限らず、他の年代の方でも、優れた認知能力を発揮でき、記憶力や集中力がUPして、日頃の生活やお仕事能力、学力も向上できそうですよね。

健康はもちろん、質の良い暮らし『QOL』を高めるためにも、「質の良い食事」で脳内環境も整えたいものです。