『美髪を造る食生活』これまでのバックナンバーでは、髪の構造などをお話しましたが、美髪を育てる頭皮について、お話していきます。
野菜や果物、穀物そしてお花などの植物は、育つ土壌が大切ですよね。有機野菜や無農薬野菜が見直されているのも、農薬まみれの土壌よりも、丁寧に耕かされ、天然肥料で肥えた土地で育った野菜だからですよね。まさに美髪も、丁寧にお手入れされた髪の象徴のようなものですから、土壌である頭皮も「毎日の食事」という肥料が大切なのです。
髪は伸びでしまうと、死んだ細胞なので、毛根のある頭皮の部分しか、未来の美髪を育てる要素がありません。「髪にボリュームがない」「加齢とともに髪が細くなり抜けやすくなった」「白髪が増えた」といった髪の悩みは、ほとんどが頭皮の問題と言っても過言ではありません。
日本人の成人の頭皮には、平均10万~12万本の髪が生えていると言われています。これらの髪は頭皮の下にある真皮層という皮膚組織で造られています。さらに言いますと、この組織には、毛球が多く存在し、その中で造られていることになります。体内から毛細血管で運ばれてきた栄養分が毛球に届き、さらに毛球内にある毛乳頭がその栄養分を受け取り、毛母細胞に渡します。この毛母細胞が分裂を繰り返すと、髪は造られ続け、伸びていくのです。
美肌について詳しい女性なら、ピンとくるかもしれません!頭皮も顔の肌とつながっていますから、真皮層で細胞分裂が繰り返されないと美肌も美髪も成り立たないのです。一般にお肌がキレイと言われる方は美髪であることも多いと言われています。
顔の肌と頭皮の違いは、別の機会に詳しくお話しますが、食べ物から得た栄養は、体内では先に各器官に届けられ、最後に皮膚、毛根へと回っていきます。いい加減な食生活では皮膚の一部である頭皮には届かないのです。
前述のように毛細血管が毛球に栄養を届けるので、血流をよくしておかなければいけません。肩こりや首こり、頭痛持ちの方は、頭皮に近い部分の血流が悪い可能性があるので、その辺りの改善も心得ておきたいですね。
どの栄養分が欠けても質の良い頭皮にはなりませんが、まずは食事から抗酸化成分を摂取して血流をよくしておきましょう。そして抗酸化成分は、頭皮上の皮脂が空気に酸化されることで発生する「活性酸素」を除去する働きもあるので、頭皮を清潔に保つためにも必要だと言えるでしょう。
抗酸化成分を含む食品は以下の通り!
- ビタミンE:黒ゴマ、オリーブオイル、ナッツ類、アボカド、かぼちゃ、にんじん
- リコピン:トマト、パプリカ、ピンクグレープフルーツ
- ポリフェノール:ザクロ、ブルーベリー、アサイベリー、ぶどう類、紅茶、緑茶など
- ビタミンC:葉野菜、果物全般
代表的なものを挙げましたが、まだまだたくさんあります。サプリメントなども出ていますが、なるべく食品から摂取しておきましょう。上記の食品は、他の栄養分も含まれているので、相乗効果で抗酸化作用を発揮し、活性酸素の除去や血流をよくしてくれるでしょう。
数種類の野菜をまとめて送ってくれる便利な宅配野菜で抗酸化作用のある野菜をストックしておくのもいいですね。