日本人が不足している栄養素の一つにカルシウムがありますね。お子さんの骨の成長には欠かせないミネラルですし、二十歳を境に、成人の骨は減少傾向になるので、成人してもカルシウムの量はきちんと確保しておかなければいけません。
カルシウム摂取で一番に思い浮かぶのが牛乳やチーズなどの乳製品ですが、小魚や桜えびのほうが含有量が遥かに多いです。
桜えびは少し高級なイメージがありますが、カルシウムだけでなく、あの鮮やかな赤い色合いにアスタキサンチンというカロテノイドの1種が含まれるため、抗酸化作用も望め、これから日に焼けやすいシーズンにはぴったりなのです。
桜えびは昨日のNHK『あさいち』でも紹介されていましたね。おいしさもカルシウム補給も、そして健康・美容面でもうれしい味方となってくれるでしょう。
桜えびとは?
桜えびはサクラエビ科サクラエビ属の小型のエビです。体長は4cmほどで、透明な体は左右に平たく赤い色素胞があります。この中には紅い魚介類特有のアスタキサンチンがたっぷりと含まれているので、前述のように、抗酸化作用などが期待できるのです。昼間は水深200~300mほどにいるが、夜になると水深20~50mぐらいまで浮上してくるので桜えびの漁は夜に行われるそうです。
食べ方としては、お刺し身、釜揚げ、天ぷら、かき揚げ、軍艦巻き、お好み焼きの具材、そして鰹の代わりにお出しなどに使われています。旬は4月~6月と10月~12月とのことで、まさに今は春の旬の真っ最中なのです! 旬の時期に収穫されると、年中楽しめるように、そして保存食となるよう、天日干しされ、乾物として製品化されるのですね。
桜えびはお出汁の材料としては鰹節やカタクチイワシに比べるとやや高価ですが、びっくりするほど高価ではないので、日常使いをしても贅沢な範疇にはなりません。
カルシウム補給は毎日牛乳を飲むと成人の場合は肥満の懸念がありますし、小魚を来る日も来る日も食べ続けるのは厳しいので、少量でカルシウム量が補える桜えびがおすすめです。
桜えびのカルシウム量はどれぐらい?
ほかの種類のえびにも、もちろんカルシウムは含まれるのですが、エビの場合、可食部の身の部分よりも、甲羅のほうに多くふくまれています。ただ通常のえびは、例え小エビであっても、甲羅まで食べるのは、大変ですし、オマールエビや伊勢海老の甲羅はさすがに食べられません。しかし桜えびほどのサイズになると、生の状態でも甲羅まで食べやすく、干しエビの場合も甲羅ごと天日干しにするので、カルシウムが無駄なく摂取できるのです。単純に同量の牛乳と比較しただけでも桜えびは牛乳の6倍のカルシウムが含まれていることになります。
アスタキサンチンをはじめほかの栄養成分は?
エビのほかに鮭やカニなどの紅い色素もアスタキサンチンですね。エビもカニも甲羅に多くのアスタキサンチンが含まれますが、これらはエキスを抽出して化粧品などに利用されています。
鮭の身の鮮やかなサーモンピンク色もアスタキサンチンですが、これはもともと白身の鮭は餌として桜えびや小エビを食べるため、その影響で身が美しいサーモンピンク色になっているのです。これも桜えび効果といえるでしょう。
桜えびに含まれているほかの栄養成分はタンパク質や脂質をはじめ、ビタミンB群や鉄、銅、亜鉛、ナトリウムなどの栄養素が含まれます。そしてキチン・キトサンという悪玉コレステロール値を下げたり、免疫力UPが望める成分も含まれているので、様々な疾患予防や病原菌撃退にも期待ができそうですね。
名産地での地元の方々の桜えび活用法とは?
桜えびは、旬の時期なら生のものが手に入りますが、通常は”干しエビ”として購入できますね。干しエビは一度フライパンで3分ほど炒って、粗熱をさまし、その後ビニール袋に入れて、外側から手でつぶすと粉々になります。その粉をお出汁や、様々なお料理の万能調味料として使うのが、静岡県など名産地の地元の方の活用法だそうです。※NHK2017年5月1日放送『あさいち』より
桜えびは見た目も美しいですし、女性に足りない栄養素「カルシウム」が補え、抗酸化作用のあるアスタキサンチンまで、たっぷりと補えるので、調味料やお出しの1つとして常備しておきましょう。