数年前から「ベジファースト」として、野菜から先に食べる習慣が支持され、大学や医療機関の栄養指導でも一般的になりましたね。
しかし、忙しい時にコンビニ弁当で済ませたり、つきあいで、自分の希望するものが食べられない場合は、「ベジファースト」の実現が難しいこともあるでしょう。
そんな時は、お肉や魚、卵などのタンパク質食品から食べ、とにかく糖質を最後に食べれば、「ベジファースト」とはまた違った作用で食後高血糖を抑えられることがわかってきました。
ベジファーストのおさらいと、タンパク質ファースト
野菜から食べるベジファーストは、別名「食べる順番ダイエット」としてもおなじみですね。
野菜を最初に食べ、次にタンパク質食品を食べ、最後にご飯やパン、スイーツなどの糖質を食べれば、食後高血糖が起こりにくいということがわかり、世界中の医療現場や大学機関の栄養指導でも一般的になりました。
しかし野菜を最初に食べるには、
- 外食では必ずしも、サラダや野菜のお惣菜つきの食事が叶うとは限らない
- 「野菜嫌い」の人には苦痛
- 野菜を先に食べている間に、メインのおかずが冷めていく...
などの欠点がありました。
しかし、関西電力医学研究所の研究で、必ずしも野菜を最初に食べなくても、糖質より前に、肉や魚、卵などのタンパク質食品を食べても、食後高血糖が起こりにくいことがわかってきました。
あくまで、「野菜を食べなくてもいい」というわけではなく、糖質をとにかく一番最後に食べることが大切なのです。
タンパク質食品を最初に食べた場合の体内は?
お腹が空いた状態で、いきなりお肉や魚などのタンパク質食品を食べると、今までの見解では「胃に悪そう」ですね。
しかし、関西電力医学研究所の研究では、糖質さえ”あとまわし”にすれば、消化管から「インクレチン」という物質が分泌されるので、胃の動きを緩やかにし、食後高血糖が抑えられることがわかりました。
タンパク質食品を先に食べると、野菜から先に食べるときと違った作用が働いて、食後高血糖を抑えられるわけですが、可能な限り「ベジファースト」と組み合わせると、より健康作用が増すようですね。
そしてお肉よりも魚の方が「インクレチン」の分泌が多いので、ベジファーストが実現できない場合は、お肉よりも魚を選ぶようにしましょう。
糖質は野菜やタンパク質食品の5分後に?
ご飯やパンは、野菜やタンパク質を食べ始めてから5分経過してから食べると、胃の働きが緩やかになり、胃やカラダの負担を減らすこともわかってきました。
ご飯を先に食べてしまうと、胃からの「インクレチン」分泌が少なく、胃に入った食べ物は、すぐに小腸に移動してしまうので、胃に負担がかかるのです。
食べ始めの「最初の一口」が、タンパク質食品か野菜となるよう工夫してみましょう。
この研究では、「冷たいご飯」との関連は触れられていませんが、ご飯から先に食べるクセのある人は、せめてホカホカご飯を先に食べるクセだけは直しておきたいものですね。
お昼時の定食の食べ方を観察していると、「ベジファースト」が一般的になってきたにも関わらず、それを守っている人はまだまだ少数派です。
しかし、お肉や魚のメインから食べ出す人にとっては、この研究は朗報ですね。
食べる順番が「タンパク質ファースト」となってしまっても、後できちんと野菜の摂取も忘れないようにしましょう。