今年は「干しブドウ酢」が密かな人気を集めていたようですね。
干しブドウはブドウを皮ごと食べられるのでポリフェノールの摂取になりますし、お酢で漬けると、酢に含まれる酢酸などで疲労回復にもなります。
またこの2つの相乗効果でさらなるダイエットや健康&美容作用も生まれるので、「干しブドウ」が好きな人にとって朗報です!
干しブドウを酢に漬ける健康作用とは?
干しブドウには果物特有のクエン酸やカリウム、食物繊維が含まれています。
そして紫色の色素成分はポリフェノールによるもので、干しブドウにすると、生の状態のブドウよりも含有量が増えると考えられています。
そして酢は種類によって含まれる成分が違ってきますが、総じてクエン酸や酢酸など、疲労回復作用のある成分が入っています。
- ポリフェノール
干しブドウに含まれるポリフェノールは、アントシアニンやレスベラトロール、カテキンなどです。アントシアニンは紫色の色素、そしてレスベラトロールは赤ワインでおなじみの成分で抗酸化力が期待できますね。 - 酢酸
お酢に含まれる成分で、体内では様々なホルモン分泌の材料となり、生体活動の調整に役立つと考えられています。 - クエン酸
疲労回復作用でおなじみですが、血流をよくする作用もあり、動脈硬化などドロドロになった血液をサラサラにする作用が期待できます。 - カリウム
ヒトのカラダはナトリウムとカリウムで水分調整をしていますが、どうしても食事などでナトリウム量(塩分)が増えがちです。カリウムは余剰分のナトリウムを排泄してくれる作用があるので高血圧予防やムクミ改善にいいでしょう。 - 食物繊維
干しブドウに含まれており、便秘改善や腸の調子を整えてくれるでしょう。
ドイツでは「ブドウ療法」で生活習慣予防
ドイツは西洋医学のイメージが強いですが、昔ながらの自然療法も現代に引き継がれており、ブドウの名産地では「ブドウ療法」というものが行われています。
ブドウの収穫期に入ると、その1ヶ月だけ、ブドウを大量に食べるという療法です。
肥満や貧血、高血圧、心臓病などの生活習慣病の改善に効果があると伝わっているそうです。
日本では昔ながらの「甘酢漬け」
お酢は国によって種類が違いますが、日本では米酢や穀物酢などが古くから醸造されていました。
そのため、野菜を甘酢漬けにする習慣があり、お漬物と並ぶ発酵保存食品として愛用されています。
近年、和食離れで、「酢の物」を食べる機会も減っているので、干しブドウ酢をストックしておくと、1日1食は酢の物を食べる習慣がついて、疲労回復などに役立つでしょう。
干しブドウはカロリーや糖質が高いのでは!?
近年の糖質オフブームで、ドライフルーツは果物を干す過程で糖度が高くなり、生のものよりもカロリーも高くなるというイメージがついていますね。
しかし、干しブドウの糖質は主にブドウ糖と果糖で、それらが結合する「ショ糖」は含んでいないので、白く生成された白糖のように血糖値の急高下の心配は少ない、とされています。
また、ブドウには前述の「ブドウ療法」があるように、鉄やマグネシウム、カルシウム、ヨウ素などのミネラルが含まれているので、女性に多い貧血や骨粗しょう症などの予防にもなるのです。
そしてポリフェノール、中でも紫色素のアントシアニンの含有量が多いので、眼精疲労にもいいようです。ネット社会で疲れた目を癒せそうですね。
酢の摂りすぎは胃に悪いのでは?
お酢は、酢の物やビネガー漬けなどにすると野菜や果物がメインとなり、酢の摂取は少量ですが、お酢はどんな種類のものでも、ストレートで大量に飲むと胃が荒れるのは事実です。
お酢も調味料なので、濃いビネガードリンクにしない限りは酢酸やクエン酸などがほどよくカラダの健康作用に効いてくるでしょう。
特にクエン酸は、毎日摂取し続けると、エネルギー代謝が活発化して、ダイエット作用に期待できます。
干しブドウ酢の利用の仕方
干しブドウ酢は、山梨県のあるブドウ農家さんが考案したもので、お酢はリンゴ酢が使われているようですね。
しかし『医科栄養学』の観点から、他のお酢でも大丈夫なようです。
ご家庭に眠っているお酢で干しブドウを漬けるだけでOKです。
目安は干しブドウ100gあたりにお酢50ccほどだそうです。
干しブドウから十分甘味が出てきますが、お酢の酸っぱさが気になる方は、ハチミツをプラスすると味がマイルドになるでしょう。
筆者は赤ワインビネガーで作ってストックしています。
利用の仕方としては、通常の干しブドウやラムレーズンと同様でいいでしょう。
- ヨーグルトやシリアルと一緒に
- 焼き菓子やパンの具に
- マッシュしたカボチャやポテトサラダにトッピング
- クラッカーとバターと一緒にレーズンバターに
- 海藻としらすの酢の物と一緒に
- 魚介類のマリネのトッピングに
筆者個人としては、タコのカルッパチョのトッピングに利用したら、絶品!だと感じました。
先日、『新作の嵐』さんで連載させていただいている「絵本の中の美味しいお菓子①」で米粉で作るパウンドケーキのレシピをご紹介しました。
冬休みのお子さまとのおやつ作りや、自分へのご褒美にご活用ください。
このレシピの中ではラムレーズンを使っていますが、ぜひ「干しブドウ酢」も使ってみてください。お酢はケーキ生地を膨らませる調理作用もあるのです。