若い頃から植物性タンパク質をよく摂取していた女性は、閉経後、心血管系疾患や認知症リスクが極めて低くなることがわかってきました!
アメリカの最新研究の詳細を見てみましょう。
若い頃の食生活が閉経後の女性の身体を健康に?
アメリカのアイオワ大学などの共同研究によると、若い頃から植物性タンパク質を積極的に食事に取り入れていた女性は、そうでない女性と比べて、あらゆる疾患による早死リスク、心血管系疾患、認知症関連死のリスクが低くなることがわかってきました。
若い頃からの食生活が、閉経後の高齢期に影響するのですね。
10万人以上の閉経女性を追跡調査した結果
研究班は、1993~1998年に全米『女性健康イニシアチブ』研究に参加した10万人以上の女性を、2017年2月まで追跡調査しました。
調査を終える頃には、追跡調査をした女性たちは閉経を迎えており、50~79歳になっていました。
追跡調査期間中に、約26,000名が死亡しています。
期間中に死亡した女性の死因とは?
期間中に死亡した女性たちの死因を解析したところ、
- 心血管系疾患による死亡:約7,000件
- 何らかのガンによる死亡:約7,500件
- 認知症関連死:約8,000件
- その他の死因:約3,500件
という結果になりました。
死因から食事パターンを分析
さらに、解析した結果、植物性タンパク質の摂取が、最も多い女性たちは、そうでない女性たちよりも、閉経後の死亡リスク(全死因)が9%ほど低いことがわかりました。
心血管系疾患による死亡リスクは、さらに12%低く、認知症関連死では、死亡リスクが21%も低くなることがわかりました。
加工肉・赤身肉を好む女性は認知症リスクが高い?
食事パターンの詳細を見ていきましょう。
- 加工肉(ハム・ベーコン・ソーセージ等)や赤身肉を好む女性は、認知症関連死が20%高くなっていました。
- 心血管系疾患による死亡リスクでは、非加工肉(赤身肉・鶏肉など)で12%高、卵で24%高、乳製品で11%高。
- ガンによる死亡リスクは、卵の摂取が多い人で10%高
卵や鶏肉は心血管やガンには悪いが認知症予防には良い?
卵に関しては、上記のように、心血管系やガンによる死亡リスクは高くなっていますが、逆に認知症の死亡リスクは14%減になっています。
同様に鶏肉も心血管系の死亡リスクは高まりますが、認知症リスクは15%減になっています。
卵についてはさらなる追跡調査が必要!
研究者たちは、
なぜ、卵が心血管系疾患やガンの死亡率を高める要因となるか、原因は明らかにできなかった。
と述べています。
卵は完全栄養食と言われていますし、アレルギーがなければ、安価で栄養価が高いので、取り入れたい食品ですよね。
認知機能はキープしてくれそうなので、適宜取り入れたいものですね。
※参考:『米国心臓学会雑誌』
さいごに
まだまだ、ナゾの多い研究報告ではありますが、以前から言われている加工肉や赤身肉の食べ過ぎは、やはり死を招く食材と言えそうですね。
タンパク質食品は、単独で摂取せず、野菜や穀類とバランスよく摂取することが大事! とも研究者たちは述べています。
しかし、植物性食品の摂取が多いと、閉経後の健康に悩まされなくなるのは、確かなようですね。