野菜&果物の美養栄養学

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花粉症が終わっても…黄砂、PM2.5環境汚染からカラダを守るビタミンとは?

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花粉症はスギ花粉が終われば、今度はヒノキ花粉に悩まされ、それも終焉かと思っていたら、今度は黄砂やPM2.5などの大気汚染もありますね。

ここ数日は山火事のニュースが報道されているほど、空気が乾燥し、風が強いので、黄砂やPM2.5も広がりやすい時期といえるでしょう。

花粉もそうですが、黄砂やPM2.5などの大気汚染の粒子は目に見えないミクロンの世界の細かさなので、目や喉、鼻の粘膜、そして呼吸するだけで体内に入ってきたり、髪や衣服についたりして、洗濯物まで心配しなくてはいけません。

PM2.5の正式名称は「微小粒子状物質」とも言います。

この大気汚染は花粉などのアレルギーと違い、その粒子が体内に入り込み、心血管疾患などを引き起こす懸念があります。

そこで、今年(2017年)4月に発表された米国コロンビア大学メイルマン公衆衛生大学院の研究発表で、ビタミンB群の摂取で、その懸念が軽減されることがわかってきました。

日本でも黄砂やPM2.5は、観測されはじめ、ニュースにもなっているので、ビタミンB群を食べ物から摂取しておくと、対策となりますね。

この研究は18~60歳の健康な非喫煙者10人を対象に、PM2.5に2時間さらすという試験を2回行いました。

1回目の試験の前には4週間にわたりプラセボ薬を被験者に飲んでもらい、2回目の試験の前には4週間にわたりビタミンB群(葉酸、ビタミンB6、B12)のサプリメントを被験者に飲んでもらっています。

そして比較のために、PM2.5を含まない空間で2時間過ごした場合のデータも取っています。

その結果、ビタミンB剤を摂取していた試験の後では、PM2.5による心血管系と免疫系に悪影響が出ていなかったそうです。

※参考:サイエンティフィックレポート 論文要旨

これまで、黄砂やPM2.5などの大気汚染は、その原因となる微小粒子によって、主に心臓血管系で急な発作などを引き起こし、毎年世界中で370万人もの早死の一因になっています。

食事からビタミンB群の摂取を増やしておくと、大気汚染から健康を守れるかもしれませんね。

尚、この実験は、普段、大気汚染の心配が少ない、健康な方々を対象に行ったため、首都圏で大気汚染にさらされている人たちを対象に、同じ試験を行っても、同じ結果になるかどうかわからない、とのことです。

しかし、ビタミンB群を摂取する習慣は、他の面でもプラスになるので、とても参考になる研究発表ですよね。

この試験ではビタミンB群のサプリメントの服用でしたが、やはり食べ物から摂取しておくのが一番! ビタミンB群は8種類ほどありますが、1種類だけ摂取してもさほど効力は強くなく、ビタミンB”群”と言われるように、”群”として数種類一緒に摂ることが大切です。中でも試験で使われていた葉酸、ビタミンB6、B12は次の食べ物に含まれているので、要チェックです。

  • 葉酸
    緑の濃い葉物野菜に多く含まれています。
    ほうれん草、小松菜、ケール、モロヘイヤ、ニラ、大根の葉、ピーマン、フリルレタスなど、大葉(しそ)など

  • ビタミンB6
    もともとアレルギーを抑える役目もあるビタミンで、タンパク質分解の補酵素としても働きます。
    肉類では、レバー類、魚介類ではまぐろ、かつお、鮭、さばに。野菜ではモロヘイヤ、さつまいも、にんにく、アボカドに多く含まれています。

  • ビタミンB12
    植物性食品にはほとんど含まれないので肉類や魚介類から摂取しなければいけません。しかし、葉酸の摂取がないとビタミンB12は効力を発揮しないので、先に挙げた葉酸を含む食品と一緒に摂るようにしましょう。
    肉類ではレバー類、魚介類ではしじみ、あさり、いわしの丸干しなどで、特に多いのがしじみとあさりです。

昔から、「野菜と魚は毎日食べた方がいい」と言われていますが、先人の知恵は、まだ科学や栄養などの根拠がない時代でも、本能的にカラダを守る食べ物がわかっていたのかもしれませんね。

黄砂は自然現象(?)かもしれませんが、PM2.5は排気ガスなど近年の人間社会がもたらしてしまった環境汚染です。現代の病気も昔の食習慣を無視した不摂生がもとの場合も多いです。昔ながらの日本人が食べていた野菜と魚中心の食事が環境汚染を生き抜く食事療法なのかもしれません。環境汚染から身を守るビタミンB群がきっちりと含まれているのが良い証拠だと思えました。