太りにくい体質を手に入れるためにも、将来の生活習慣病を予防するためにも、ダイエットには一定の筋肉量を保つことが必要です。
その筋肉量を保つには毎日の3回の食事でタンパク質食品を摂ることが必要ですが、特に朝の摂取が必要なんだそうです。
朝食を食べない人は、やはり太りやすいのでしょうか?
筋トレで効果が出ない人は朝食からのタンパク質が足りてない
立命館大学スポーツ科学部の研究によると、昼食や夕食にタンパク質食品を1日の摂取基準通り食べていても、朝食でタンパク質食品を食べていなければ、筋トレをしても効果が出にくい、ということがわかっています。
栄養素は一度にたくさん摂取しても、全部がカラダに吸収されるわけではないので、適量を1日3回に分けてとるほうが効果的なのかもしれませんね。
人間の筋肉量は20代がピーク
20代の頃はよく食べても、すぐに体重が元に戻ったのに、30代に入ると、食べた分だけ太りやすくなった! と感じている方も多いことでしょう。
20代の頃は、少々カロリーの高いものを食べても、筋肉量がピークなので、代謝もよく、太りにくいのです。
それを30代以降も同じように高カロリー食で過ごしていると、筋肉量も代謝力も落ちているので、あっという間にメタボ予備軍に入ってしまうという違いもあるのです。
30代以降も筋肉量を保つには、食事からのタンパク質の量と質にかかってきます。
カロリーを気にしすぎて、豆腐や大豆からタンパク質を摂っても、アミノ酸スコアが100となりません。
逆にアミノ酸スコアは100でも肉類ばかりでは、今度は脂質過多になるので、植物性と動物性のタンパク質は、栄養学的には5:5で補うことが推奨されています。
タンパク質食品の適量とは?
1日合計のタンパク質量は、成人男性で約60g、成人女性で約50gです。
1食分だと成人男性で約20g、成人女性で約16gが適量ということですね。
以下のリストを参考に、3食の食事に取り入れてみてください。
- 乳製品(食品100g中)
プロセスチーズ:22.7g、ヨーグルト:3.6g - 肉類(食品100g中)
鶏むね肉:24.4g、豚ヒレ肉:22.8g、牛もも肉(赤身):20.7g - 魚介類(食品100g中)
鮪(まぐろ)赤身:26.4g、鰹(かつお):25.8g、鯵(あじ):20.7g、秋刀魚(さんま):18.5g - その他(食品100g中)
高野豆腐:49.4g、納豆:16.5g、卵:12.3g
※以上、日本食品標準成分表より
筋肉量を保つには朝食のタンパク質摂取が必要ですが、無理にガッツリと肉類や魚介類を食べなくても、納豆や卵、チーズ、ハムなど食べやすいものからタンパク質をとっておきましょう。
また、タンパク質をアミノ酸に分解して筋肉を造るためにも、ビタミンやミネラルが含まれる野菜も一緒に食べることを忘れないようにしましょう。
筋肉量を保つアミノ酸はロイシン
食べ物からのタンパク質食品は、体内で一度アミノ酸に分解され、ビタミンなど他の栄養成分の力も借りて、人間の筋肉を造り上げていきます。
そんな中で筋肉量を保持するのに重要なのはロイシンというアミノ酸です。
立命館大学の研究では、65歳以上の高齢者のうち、筋肉量がキープできている人たちは、ロイシンの量が多いことがわかっています。
ロイシンは必須アミノ酸の1つで、人間のカラダでは合成できないので、食べ物から補わなければいけません。
ロイシンを多く含むタンパク質食品は以下のリストを参考にしてください。
(食品100gあたりのmg)
- 高野豆腐(乾物)4500mg
- するめ 4300mg
- パルメザンチーズ 4300mg
- 豚ヒレ肉 3200mg
- 鶏ムネ肉 3100mg
- 牛モモ肉 2600mg
- 油揚げ 2300mg
- サバ 2300mg
- アジ 2300mg
- プロセスチーズ 2300mg
- ゆで卵 1100mg
※以上、日本食品標準成分表より
筋肉量がキープできていると、体重そのものがさほど減っていなくても、見た目はとてもシャープでしなやかになります。
朝食にもタンパク質食品を摂り入れて、実(筋肉)のあるスレンダーを目指しましょう。