「干し柿」は伝統の老舗和菓子メーカーでも取り扱っている、我が国が誇る元祖「ドライフルーツ」なのですが、古臭いイメージがあるようですね。
お正月飾りにも使われる縁起のいいドライフルーツで、しかも栄養価は生の柿の3倍になっているのです。
干し柿にはどんな秘密が隠されているのでしょうか?
干し柿のβ-カロテン量は柿の3倍
柿そのものは果物でありながら、β-カロテン量が両黄色野菜なみに高いことで知られる栄養価の高い果物です。
柿の濃いオレンジ色は、そのβ-カロテンがもたらす色となります。
そして干し柿にすると通常の柿の3倍以上と高くなり、肌の粘膜の健康を保つビタミンAも3倍増しということになります。
※β-カロテンは、食べ物から摂取して体内に入ると、ビタミンA様に働きます。
そして抗酸化作用も5倍になると考えられており、肌の奥にあるメラノサイトに働きかけ、肌の白さキープにも役立つでしょう。
干し柿は日本の伝統美容食
日本では、砂糖がまだ貴重であった数百年前から親しまれている「干し柿」は、皮をむいた柿をそのまま、天日で干しただけの天然保存食です。
選ぶ際は、パッケージの後ろを見て、砂糖や保存料が入っていないものを選びましょう。
天日干しにして、柿の乾燥が進むにつれて、余分な水分が抜け、柿に含まれている栄養価が凝縮されていきます。
ビタミンCに関しては、干し柿になる過程でほぼ消失してしまいますが、前述のβ-カロテンをはじめ、疲労回復作用や余分な塩分を排出させる作用のあるカリウムは約4倍に増えています。
そして整腸作用が期待できる食物繊維も約7倍に増えており、通常の柿よりさらに健康&美容食としてパワーアップしているのです。
また糖分も凝集されているので、他のドライフルーツ同様、砂糖が加えられていなくても、糖度が高くなっています。
GI値の観点で気になる方は、他のスイーツ同様、空腹時に食べないようにしたり、体温が高い日中に食べるようにしましょう。
干し柿の取り入れ方
「干し柿」そのものだけを見ると、古臭いイメージになってしまいますが、ドライフルーツとしてとらえれば、活用法の幅は広がりますよ。
- ヨーグルトやシリアルのトッピングに
- ドライフルーツのパウンドケーキやチーズケーキに
- アイスクリーム、パフェ、あんみつなどの添え物に
- お肉や魚介類のフルーツソースに
- カレーの隠し味に
- チョコレートフォンデュに
- アップルパイやチェリーパイのように「干し柿のパイ」やタルトに
干し柿は一部の老舗和菓子店では贈答用の高級菓子として扱われていますが、意外と一般のスーパーの果物コーナーの片隅に並んでいるものです。
値段も高いわけではないので、他のドライフルーツを買う感覚で、ぜひ日本人DNAにあった伝統の「干し柿」を旬の時期に楽しんでみてください。