昔から、「海藻を食べると髪がキレイになる」と聞きますね。
筆者も母や祖母からよく言われ、海苔やワカメ、ひじきを一生懸命食べたものです。
しかし、明治時代の中ごろまで、日本人は「ふのり」で髪を洗っていたので、それがいつしか、「海藻は髪にいい」から「海藻を食べると...」に変わっていったと推測できます。
頭皮と髪の構造
頭皮と髪の関係は、土壌と植物の関係のように、頭皮は土壌、毛根は根っこ、髪は植物。
土壌がよくないと、栄養のある植物は育たず、美しい花も咲きませんね。
頭皮も、状態がいいと、毛根から髪に程度の油分が行きわたって、毛先まで美しい髪が保てることでしょう。
そして、頭皮は顔の皮膚とつながっていることを忘れてはいけません。
顔の肌のお手入れは、一生懸命するのに、頭皮のお手入れは、毎日のシャンプー程度で、さほど気にしていない人の方が多いでしょう。
頭皮も顔の肌と同じく、「お肌のターンオーバー」があり周期はほぼ同じく約28日周期です。
頭皮の皮脂量は顔の3倍?
顔がベタつくのは、皮脂の分泌によるもので、お化粧直しの時に、油取り紙を愛用している方もいらっしゃるでしょう。
頭皮は、その皮脂量が、顔のTゾーンの3倍もあると考えられています。
そのため、毛根は皮脂がつまりやすいのです。
毛根に皮脂がつまってしまうと、美しい髪は伸びづらくなり、髪を伸ばしたくても、枝毛が多くなって、とても髪を伸ばせる状態ではなくなり、もっとひどくなると、抜け毛もひどくなるのです。
しかし、毛根がキレイな状態であれば、程度な皮脂が髪に伝っていき、毛先まで届くので、長い髪でも枝毛になりにくく、豊かな髪が育めるようになるでしょう。
海藻を食べると髪にいいのか?
髪の主成分は、タンパク質の1種であるケラチンです。
顔の肌のキレイさは食べ物の影響が大いに出る部分ですが、髪も、頭皮のキレイさで決まるので、食事内容は大切と言えるでしょう。
実際に髪をつくるのはタンパク質となるので、海草だけを食べても直接、美しい髪にはなりません。
しかし、海藻類にはアミノ酸誘導体である「ヨード」が含まれ、甲状腺ホルモンを促す作用も期待できます。
アミノ酸を含む、肉類や魚介類、大豆製品などのタンパク質と一緒に食べると、髪の材料となりやすいでしょう。
ただし、肉類の食べ過ぎは、頭皮の皮脂の分泌過多で、頭皮のベタつきにつながりやすいの、とりわけ昔の日本人が摂取していた、魚介類や大豆製品からタンパク質を摂るといいでしょう。
「海藻は髪にいい」の本当の由来
冒頭でも少し触れましたが、日本人は平安時代から明治中期までの数百年という長い年月の間、「ふのり」や「米ぬか」で髪を洗っていました。
こんなに長く愛用されていたのに、現代人は、その事実を知らない人が多いですよね。
江戸時代に入ると、ふのりはうどんや蕎麦と一緒に食べられるようになったので、その辺りから「海藻は髪にいい」から「海藻を食べると髪にいい」に言われるようになったようです(諸説あり)。
実際、ふのりは髪の表面のキューティクルを守るのに適しています。
長い歴史の中で、日本人女性の長い黒髪の秘訣は、ふのりの海藻エキスの賜物であったのでしょう。
現代のヘアケア製品は様々なものがありますが、海藻エキス入りのものを選ぶと、日本人の髪質にあったケアができるかもしれませんね。
さいごに
海藻は、やはり食べても髪にいいことがわかりましたが、それだけ食べていても美髪にはつながりません。
豆腐とワカメのおみそ汁は植物性タンパク質と海藻の組み合わせで、美髪になるには、理にかなっていますね。
筆者も、幼少の頃に、母や祖母から言われたように、これからも海藻は美髪のために食べ続けていこうと思います。