筋肉というと、逞しいアスリートの腕を想像しがちですが、私たち人間が生きていく上で、あらゆる部位を筋肉が支えてくれていますね。
顔、目、脳、肩回り、腕、腹筋、背筋、脚全体などなど、体内の骨回りを中心に筋肉が存在しています。
加齢と共に、これらの筋力が衰えて、高齢者になるに従って、日常生活の歩行などが困難になったり、若年層でも運動不足や食事の偏りから、階段の上り下りがつらい、などの現象が生じます。
そんな筋力UPにはタンパク質食品をGABAという成分という共に摂るといいことがわかってきました。
GABAとタンパク質食品は好相性!?
『GABA』というとサプリメントやチョコレートが製品化されているので、「心理的なストレスを軽減してくれる」というイメージが強いでしょう。
GABAにはそうした機能に加え、タンパク質食品と一緒に摂ると、筋肉の合成効果を高める働きもあることがわかってきたのです。
ファーマフーズが行った、運動習慣のない成人男性を対象にした研究で、次のようなことがわかりました。
対象者は、
- 【A】ホエイプロテイン10gを毎日、飲料に混ぜて飲んだグループ
- 【B】ホエイプロテイン10gとGABA100mgを一緒に飲料に混ぜて飲んだグループ
に分けて、追跡調査が行われました。
また対象者は筋力UPのために、簡単な筋力トレーニングも60分間取り入れています。
プロテインを飲むタイミングはこの運動を行った夜とし、運動できなかった日に限っては就寝前に飲むことになっていました。
その結果、3ヶ月後、【A】のプロテインのみのグループは全身の筋肉量が平均100g増えたのに対して、【B】のプロテイン×GABAのグループは同平均が1,300gも増えたことがわかりました。※プロテイン=タンパク質
「タンパク質食品×GABA」は運動後や夜の摂取がいい?
この研究では他に、プロテイン×GABAの摂取時間は、運動後の夜や就寝前に摂ると、睡眠中に分泌される成長ホルモンが促され、筋肉の合成が効率的に進んだのではないか、と考えられています。
研究では、男性を対象に調査が行われましたが、成長ホルモンや筋肉合成のメカニズムは女性も同じなので、女性でも同様の効果が期待できる、と推測されています。
※参考『The American College of Sports Medicine』2016年
GABAを含む食べ物×タンパク質食品
研究ではプロテインやGABA入りの飲料で調査されていましたが、実際、GABAはチョコレートの他にどういった食べ物に含まれているのでしょうか?
GABAは日本の伝統食材に多く含まれている傾向があり、「タンパク質食品×GABA」の組み合わせは簡単に実行できそうです。
GABAを含む食べ物
玄米、米、胚芽米、発芽玄米、味噌、醤油、紅麹、桑の葉茶などです。
このうち、一般に手に入りにくそう(?)なものは紅麹と桑の葉茶でしょうか。
紅麹は古代米(赤米・黒米)でできた甘酒などが該当し、健康食品店やお米屋さんで手に入るでしょう。
桑の葉茶は、健康食品店や高級スーパー(成城石井、紀伊国屋、イカリスーパーなど)、デパートの食品売り場では取扱いがあるでしょう。
後、玄米、胚芽米、発芽玄米はGABA摂取の点ではいいですが、お米の殻や胚芽などに含まれるフィチン酸という成分がお肉や魚介類に含まれる鉄などの栄養吸収を阻害します。
ベジタリアン食の方を除き、肉や魚介類も食べる一般食の方は白米からのGABA摂取の方が無難かもしれません。
「タンパク質食品×GABA」を実現する食べ物
ご飯とお味噌汁を基本にした和食にすれば、主食(メイン)に魚料理や肉料理を取り入れるだけで、簡単に「タンパク質食品×GABA」の組み合わせが実現できますね。
タンパク質食品は肉類や魚介類の他に、卵、大豆製品、乳製品がありますが、調味料に醤油を使えばGABAがプラスされるでしょう。
他に、西京漬け(魚の味噌漬け)、肉味噌、納豆×醤油、冷奴×醤油(味噌ダレ)など。
また、これから冷麺や素麺などが美味しい季節ですが、錦糸卵やゆで卵をトッピングし、味噌ダレで頂くのもいいですね。
さいごに
「タンパク質食品×GABA」の組み合わせと共に、やはり運動習慣も付けた方が効率よく筋力UPできるようですね。
通勤、通学でかなり体力は使うので、なるべく歩いたり、階段の上り下りの機会を増やし、夕食では「タンパク質食品×GABA」を意識して取り入れてみましょう。
タンパク質食品はたいてい食べると思うので、ご飯を抜かないようにするだけでも、GABAプラスになりますね。