ダイエットの際、甘い物が辞められない人は辛いですよね。
また、さほど体型的には太っていなくても、甘い物が大好きな人は、肌荒れや髪にコシがない、抜け毛がひどい、風邪やインフルエンザにかかりやすいなどの悪影響があるものです。
朝に菓子パン、夕食後にもスイーツ! ではいただけませんが、昼間のみなら、甘い物の悪影響は少ないかもしれません!?
名古屋大学大学院の最新研究を見てみましょう。
甘い物は代謝が悪い時間帯に食べないこと!
人間のカラダの特徴として、朝は排泄の時間帯の上、小腸がまだ果糖などの糖質を代謝できるほど活発に動いていないので、朝から菓子パンを食べるとカラダに負担がかかり、太りやすくなります。
また夜は睡眠に向かって、カラダ全体が昼間の交感神経優位な状態から、副交感神経優位に切り替わり、これまた代謝などに向いていない時間帯です。
そういう時間帯に甘い物を食べても、代謝されずに糖はエネルギーに使われず、中性脂肪などに変わってカラダに蓄積されることになり、太るのです。
こうした生活が毎日続くと、肥満やメタボなどの生活習慣病となり、ひどくなると糖尿病や、何らかのガンなどを引き起こす事態になります。
甘い物は昼間に食べるとダメージが少ない?
しかし、病気のことばかり考えて、全く甘い物が食べられないのもまた、ストレスになり、毎日の楽しみもなくなってしまうことでしょう。
一般に、砂糖(ショ糖)の過剰摂取は、肥満や高血圧など生活習慣病になりやすいと言われています。
しかし、その発症機序や抑制方法については、まだまだ不明瞭なことが多いのも現実です。
そこで、名古屋大学大学院の生命農学研究は、ラットを用いた実験で、砂糖の多い食事を与えるタイミングを観察しました。
すると、活動時間帯なら、砂糖の多い食事を与えても、体内の過剰な糖分による悪影響の多くを軽減できることが明らかになったのです。
活動時間帯での砂糖はカラダに悪くない?
ちなみに「活動時間帯」とは、人間の「昼間」に該当する時間帯ですが、ラットの場合は夜行性なので「夜」に与えて実験が行われています。
実験で、ラットたちは、次の4つのグループに分けられて、経過が観察されました。
- 【A】高ショ糖食:「昼間」のみ
- 【B】高デンプン食:「昼間」のみ
- 【C】高ショ糖食:24時間自由に摂取
- 【D】高デンプン食:24時間自由に摂取
その後、【A】~【D】のグループのラットそれぞれの体重、血液と肝臓の脂質、肝臓の遺伝子発現などが調べられました。
すると、食事量は同量であったにも関わらず、【A】の高ショ糖食を昼間のみ摂取したグループの血中脂質と肝臓脂肪は、【C】と【D】の24時間自由に摂取したグループよりも低いことがわかりました。
脂質の低さは遺伝子ではなく食事の時間帯に関与?
また、脂質の低さについては、脂質代謝遺伝子は全く関係なく、食事を摂る時間をコントロールすることで低くできることもわかりました。
※参考:『プロスワン』
現在、世界中で、砂糖の過剰摂取による健康への悪影響が問題視されていますが、実際、規制を厳しくすると、倒産の危機に追い込まれる食品会社や、パティシエ、和菓子職人も失業することになりかねませんよね。
しかし甘い物を食べる時間帯を、昼間のみに制限するよう、注意喚起が行われるようになれば、今までと同じようにスイーツ類が楽しめることでしょう。
さいごに
朝食で菓子パンやお菓子を食事代わりにしたり、夕食にまでお菓子やケーキを食べるのは、以前からタブー視されていましたし、経済的にもゼイタクなことです。
昔から「3時のおやつ」と言われているように、甘い物はおやつの時間だけに食べれば、そうカラダに害はなかったのです。
この研究発表は、生活習慣を、昔から言われているようなライフスタイルに戻す、とも言えますね。
ちょっとしたゼイタクを慎めば、カラダも自然とスリムになれるかもしれません!?