「綿実油(めんじつゆ)」というオイルをご存知ですか?
今年も様々なオイルが話題になりましたが、2019年はもしかしたら「綿実油」が話題に上がるかもしれません。
詳細を見てみましょう。
「綿実油」ってどんなオイル?
文字度通り綿の実から採れるオイルです。
日本では単品の「綿実油」として利用する人が少ないので、耳慣れない方も多いですが、大手油脂メーカーからはちゃんと商品化されています。
また、アジア圏では、菜種油、ピーナッツ油、綿実油は三大食用油として栽培がさかんなのです。
綿実油は、菜種油や大豆油、べにばな油などと一緒にサラダ油やマーガリンの原料の1つになっているオイルなので、知らずに摂取していることも多いのですね。
サラダ油やマーガリンは摂り過ぎると健康被害があることが報告されていますが、「綿実油」単品だと、中性脂肪の蓄積を予防する効果が期待できる、との研究が今月(2018年12月)発表になりました。
「綿実油」を単品で摂ることのメリットとは?
アメリカのジョージア大学の研究では、健康な男性15名(18~45歳)に5日間、2つのグループに分け、綿実油とオリーブオイルをそれぞれ摂取してもらいました。
その後、血中脂質を測定したところ、綿実油を摂取したグループは、オリーブオイルを摂取したグループよりも、平均でコレステロール値が8%、LDL-コレステロール値が15%、中性脂肪が30%も低下していることがわかったのです!
また、善玉と呼ばれるHDL-コレステロールは8%上昇したとのことです。
ちなみに、HDL-コレステロールはやや高めの方が健康にいいと考えられているコレステロールです。
「綿実油」の隠れた実力とは?
綿実油はサラダ油やマーガリンなどの加工油の原料としての用途が高いため、「摂り過ぎると中性脂肪を増やす」という悪いイメージがあるのですが、綿実油には、「ジヒドロステルクル酸」という成分が含まれており、この成分に、中性脂肪の蓄積を抑制する作用があると考えられています。
※参考:『栄養学研究』2018年12月
綿実油は、脂肪酸の種類で言うと「オメガ-6系脂肪酸」となり、必須脂肪酸の1つです。
近年、オメガ-3系脂肪酸の健康効果が話題になっているので、影をひそめがちですが、オメガ-6系脂肪酸も、毎日適量を摂る必要がある脂肪酸です。
さいごに
発表になった研究は男性15名のみを対象としたデータなので、綿実油を1日どれぐらい摂ればいいのか? 女性でも同様の効果が得られるのか? などの詳細データはわかっていませんが、今後、研究が進むかもしれませんね。
綿実油は、大型スーパーの食用油売り場に1種類は置いてあるので、気になる方は探してみましょう。
世界に向けて発表されたアメリカの論文発表なので、早ければ来年(2019年)ぐらいから注目のオイルとなるかもしれませんね。